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働く女性のキャリアアップを考える対話会の実施

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2024年229レポート

NECプラットフォームズは、2024年2月5日に掛川市と共催で、女性のキャリアアップについて考える対話会を開催しました。

当社女性管理職の藤井貴美子がファシリテーターを務め、掛川市が同日に実施した女性のため働き方セミナー「働く女性のためのロジカルコミュニケーション入門」の参加者を対象に実施しました。

当日は17名が参加し、仕事と家事育児の両立、忙しい中での趣味や勉強時間の作り方、周囲に仕事を頼むにはどうしたらよいかなど悩みや課題の意見交換や、管理職になってよかったことなどについて参加者からもアドバイスがあるなど、参加者間での交流もありました。

NECプラットフォームズ シニアマネージャー 藤井貴美子の写真

<対話会で自身の経験を語る、NECプラットフォームズ シニアマネージャー 藤井貴美子>

対話会テーマ1:
仕事と家事・育児の両立のために必要なこととは?~励ましの言葉がけの大切さ~

結婚当初、これまでと同様に仕事を頑張らなければとの思いで必死に取り組み、家事と仕事の両立が上手く行かず、体を壊してしばらく仕事を休むことになってしまったと話す藤井。このことがきっかけで、仕事との向き合い方が変わり、自分自身と家族を大切にするよう心掛けたところ、ライフワークバランスが上手く回り始めたのだそうです。現在、管理職としてチームを引っ張るようになった藤井にとって、育児をする部下へどのような配慮があれば働きやすいのだろうかと悩むことがあり、参加者にも話を聞きました。

参加者からは、「急な子どもの発熱で仕事を抜けないといけないときに上司から『大丈夫だよ、お迎えに行ってきて』と言われると安心できる」といった声や、「部下へは『子どもの発熱はよくあることでお互いさまであり、職場に来た時に気持ちを切り替えれば問題はない』と声がけをしている」といった管理職の立場からの声など、急な休みが周りに迷惑をかけるのではと考える当事者への励ましの言葉が大事であるとのコメントがありました。

また、企業によっては1人の人がいろいろな業務をこなすことも少なくないですが、「企業側が1つの業務を2人で実施できるような体制にしてくれることで働きやすいと感じる」といった、個人の努力だけではなく企業の組織として働きやすい環境作りへの工夫が必要との意見もありました。

対話会テーマ2:
趣味や勉強の時間はどうやって作る?~すきま時間&ながら時間の活用~

趣味の時間や、勉強の時間をどのように取るかということは、ライフワークバランスに欠かせない要素になります。藤井は週に1時間だけ必ず自分の時間を作り、趣味のピアノの時間にあてていますが、そのような時間を作れるようになったのは最近のこと。そこで次は“どのように自分の時間を捻出しているのか”についての話題になりました。

参加者からは、「いつもより朝早く起きて時間を取る」「朝早く出社して誰もいない職場で集中する時間を作る」「子どもの習い事などの迎えの待ち時間を活用する」といった、活動時間帯を工夫しているという声や、「じっくりと目で見て読む時間が取れないため耳で聞ける媒体を使用し、料理をしながら、あるいは通勤しながら、音声を流しっぱなしにして耳から情報を得る」といった、音声媒体と“ながら時間”を組み合わせた活用法など、参考になる話が聞けました。

対話会テーマ3:
周囲に仕事を依頼するためには?~自身の状況を整理すること&相手を信頼し任せること~

男性の多い職場環境の中、管理職になってから仕事に対し気負ってしまい空回りしていた時に、初めて部下から厳しく意見された経験があるという藤井。自分の取り組み方の間違いに気づいたといいますが、なかなか素直に受け入れることができず、数年経ってようやく理解できた部分があったといいます。管理職に対して“このような指導の仕方だったら分かりやすかった、理解しやすかった”と感じたことはないか、逆に管理職に対して伝え方に工夫をしていることはないかなど、職場でのコミュニケーションに関する話題となりました。

対話会当日の写真
<対話会の様子>

参加者の一人から、「複数部門の女性メンバーを束ねて社内活動をしているが各メンバーの仕事の状況がわからないため業務を依頼しづらく自分一人で抱えてしまう」という悩みについて話があり、藤井からは「いまこれだけチームでやるべき業務があり、自分はこの部分しか担当できないので、他の部分をやってくれる協力者を求めます!と仕事量を見せてしまう方法が1つ。もう1つは、自分がやったほうが早いと考えずに相手を信じて任せること。出来上がった仕事が7割くらいの到達度であってもそこから擦り合わせをして100%のレベルまで持って行く。これを繰り返すことで自分自身も経験値をつけられるようになりますよ」とアドバイス。

別の参加者からは、自分がいまどれだけ仕事を抱えているかを明確化しないと相手にも伝えられないため自分の仕事状況を整理する時間も必要、といったアドバイスもありました。個人事業主の立場である参加者からは、やらないといけないことを洗い出し、家庭では、発達段階に応じて子どもにも家事をまかせる。仕事では、自分一人でまわせない仕事は外注し“外にチームを作る”ということを心掛けて乗り切ってきた、というエピソードも聞かれました。

対話会テーマ4:
違う仕事へのチャレンジ~職種が変わること=キャリアが途切れることではない~

キャリアを重ねていくと、昇格や転職など人生の中でいろいろな転機を迎えるタイミングがあります。違う仕事にチャレンジしたり、ステップアップのために転職したりしたことがあるかについて話題となりました。

始めは教員の仕事をしていたという参加者は、結婚・引っ越し・出産などプライベートでのイベント発生の際に職が変わり、大手企業でのスタッフ業務などを経て、次はどのような仕事へ就けるだろうかと思案する中、友人のSNS投稿がきっかけで、現在はIT系企業でフルリモートによる教育×ITという“教える仕事”をしているといいます。「人生は何があるかわからない。1つの仕事を突き詰めることも良いと思いますが、3つぐらい違う仕事をすることで視点が広がって面白いと思います」。

「違う職種を経験することはキャリアが途切れるということではなく、必ずその経験や人脈が役に立つことにつながる」と藤井も自身の経験に重ねて話しました。

対話会テーマ5:
管理職になるのは怖い?~管理職になる前・なった後の本音~

対話会最後のトークテーマは、ずばり“管理職になることについてどのように考えているか”について。参加者のみなさんに率直な意見を伺いました。

これから管理職という立場になる可能性がある参加者からは「子育て中に子どものことで何度も呼び出しがあって休みを取らなければならない状況で、もし管理職だとしたらどうしたら良いのだろうと不安に感じる」、「これから出産を考える場合、休む期間が出てくるので周りにも負担がかかり管理職を目指すべきなのかと考えてしまう」といった、休みをとらないといけない状況と仕事への両立について不安な想いが聞かれました。

一方、管理職の立場である参加者からは「1人だとできなかった仕事を、部下にお願いして3人や5人でできるようになることに“これが仕事だ”という実感があって楽しい」、「現場でプレイヤーとして仕事をしていた時に感じていた“現場の状況が伝わっていない”という経営層に対するもやもやについて直接言えるようになった。現場の状況を経営層へ伝える仕組みづくりができるという面白さがある」といった、仕事を作り上げていく楽しさについてコメントがありました。

また、「管理職という立場や女性であることにとらわれず、どんな人であっても誰かの子どもや親という立場、夫や妻という立場であり、1人で対応しきれない業務は周りにお願いするしかない」という言葉に、参加者同士うなずき合う姿もありました。

藤井は「私も管理職は大変だと思っていたけれど、管理職になるとチームで仕事ができ、権限が増えて仕事の面白さが出てくる。視野も広がり人脈も増えてくる。チームの責任は負わないといけないし、部下のためにどのように動くか考えないといけないので大変ではあるけれど、やりがいのある仕事です。“管理職になって良かった、管理職は楽しい”ということを伝えていきたい」と、参加者の不安な気持ちに寄り添いつつ、管理職だからこそ得られる経験について語りました。

あとがき

メモを取りながら耳を傾ける参加者もおり、「管理職は大変なことだけではなく人付き合いの幅も広がり楽しい!」という参加者の声に笑顔があふれるなど終始穏やかな雰囲気で進められ、終了後も参加者同士が残って情報交換し合うなど、参加者のキャリアに対する意識の高さが印象的でした。今回の対話会を通して女性の活躍推進には以下の2つが重要だと改めて感じました。

  • 両立支援として、制度の充実だけではなく理解ある言葉がけができるような組織文化作りも大切
  • 職場でも家庭でも一人で抱えず周りを頼り、信頼して任せること!

参加者の皆さまから貴重なお話を伺うことができ、大変参考になりました。これからもより働きやすい職場環境づくりを目指して、さまざまな取り組みを進めてまいります。社内の組織文化醸成に活かしていきます。