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業務効率化のカギを握る、モバイルオーダーとPOS・オーダーエントリーシステム連携のポイント

【パートナー企業インタビュー】株式会社ぐるなび

2023年02月21日 カテゴリ:コラム

インタビュー:株式会社ぐるなび オーダー事業推進部 副部長 小島 陽介氏

コロナ禍で飛躍的に需要が高まった、非対面・非接触で注文できるモバイルオーダー。お客さま自身のスマホを操作して注文するオーダー方式もすっかり一般的なものになり、飲食店の人手不足解消や導入コスト削減などの観点からも注目されてきました。
NECプラットフォームズが提供する飲食店向けパッケージ「FoodFrontia」が連携するモバイルオーダーのひとつ、「ぐるなびFineOrder」。POS連携も大きな強みで、飲食店さまの人手不足解消のニーズにお応えしています。

今回は本サービスのリリース背景や導入のポイントについて、株式会社ぐるなび オーダー事業推進部 副部長 小島 陽介氏に伺いました。

株式会社ぐるなび オーダー事業推進部 副部長 小島 陽介氏
株式会社ぐるなび
オーダー事業推進部 副部長 小島 陽介氏

モバイルオーダーと外食市場の関係性

モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」をリリースすることになった経緯を教えてください。

本サービスのリリースは2021年6月ですが、企画自体はコロナ禍前から検討していました。当時も飲食店さまにとって人材難が大きな課題となっていたことや、インバウンドのお客さまも増加していたことから、ぐるなびFineOrderの企画検討が進められました。 その後、コロナ禍により非接触のニーズに対応するサービスとして注目を集め、結果として認知度が高まりました。

株式会社ぐるなびの主な事業領域は、販促支援事業ですが、そこからさらに支援領域を拡大し、「飲食店経営サポート企業」への進化を中期ビジョンとして掲げています。「日本の食文化を守り育てる」という創業の想いのもとさまざまな取り組みを検討し、そのなかで、ぐるなび事業の新たな柱として同サービスをリリースすることになりました。

ぐるなびFineOrder

モバイルオーダー利用の実態

今ではよく見かけるようになったモバイルオーダーですが、主にどういった店舗に導入されていますか?

居酒屋業態が8割を占めています。焼肉業態も増加していることから、追加注文が多い寿司業態とも相性が良いのではないでしょうか。オーダー回数やメニュー数が多い業態ではどうしてもホールスタッフの負担が大きくなりますが、モバイルオーダーの導入により、注文業務の負担を軽減することで業務効率化につながります。イートイン以外にもテイクアウト(ピックアッププラン)のご相談も多くいただいていますので、今後カフェやファストフード業態などへの導入も増加していくと見込んでいます。

ぐるなびFineOrderリリース当初、ご利用者さまの反応はいかがでしたか?

コロナ禍によりデリバリーの需要が増え、特に大手ファストフード店などでは独自のシステムでモバイルオーダーを展開したことから、一般に広く浸透していました。ご自身のスマホで注文、決済することには慣れているため、操作面に関しては比較的スムーズに対応されていたと思います。居酒屋などでは追加注文が何度もありますが、ご利用者さまが自身のタイミングで注文ができるのが良い、とのお声をいただいています。コロナ禍ということもあり、非接触でオーダーできるところも安心安全にお使いいただけるメリットのひとつです。

モバイルオーダーの利用者はどれくらいでしょうか?

ぐるなび会員を対象に実施した利用実態調査によると、4割がモバイルオーダーの利用経験があり、そのうち9割は今後も利用していきたいとのポジティブな回答でした。今後ぐるなびFineOrderの事業展開を進めていく上で追い風となる結果だったと思います。若い世代の利用経験は5割を超えているのは想定内でしたが、50代も3割以上利用経験があるという結果から、年代の差分があるにせよ、比較的多くの方にお使いいただいていることがわかりました。われわれが想像しているよりも浸透していると感じます。他にも、ファストフードをよく利用される20代~30代のファミリー層を中心に、モバイルオーダーをお使いいただいていることが調査結果からわかりました。

ぐるなび会員を対象に実施した利用実態調査

ぐるなびFineOrder導入のポイント

モバイルオーダーの導入は、店舗側・ご利用のお客さま双方にメリットがあると思います。それぞれのメリットを教えてください。

店舗側のメリットは、コスト削減と売上アップです。コロナ禍以降も飲食店さまの人材難は深刻な課題となっていて、特に居酒屋業態などでは、店舗運営に通常5人必要なところを3人で対応したり、100席あるところを50席に減らさざるを得ないケースがでているようです。こうした状況にてモバイルオーダーを導入いただくことで、少人数での店舗運営が可能となり、「コストを抑えつつ売上の確保ができるようになった」とのお声もいただいています。

またご利用のお客さまのメリットは、自分のタイミングでオーダーができることです。店員が忙しそうだったり、テラス席など少し離れた場所からオーダーする場合などは、店員に声をかけにくかったりしませんか?モバイルオーダーが導入されていれば、店員を呼ぶ手間が省くことができます。

モバイルオーダーの導入により接客の機会が減ってしまうことについてはどのように思われますか。

飲食店さまにとって接客のオペレーションが変わってしまうことは、非常に大きな問題としてとらえられています。弊社が飲食店さまにお伝えしているのが、「注文業務は実は時間がかかっている」ということです。初回の注文は1分~3分、追加注文は数十秒かかるので、注文に費やす時間をトータルで換算すると相当な時間を充てていることになります。また、ご利用者さまとしても注文してからドリンクや料理がスピーディーに届くのは重要なことです。注文業務を効率化することでホールスタッフもほかの業務に注力ができ、提供スピードが上がります。さらにゆとりが生まれることで、本質的な接客ができるようになりますので、結果的にお客さま満足度を向上させることができるのです。

数々のモバイルオーダーのなかで、ぐるなびFineOrderならではの特長や優位性、お客さまから選ばれる理由を教えてください。
株式会社ぐるなび オーダー事業推進部 副部長 小島 陽介氏

導入後の活用サポート体制に力を入れていることが挙げられます。導入いただいて終わりではなく、その後も店舗の現場でしっかり使っていただけるところまで落とし込むことが重要だと考えています。いかに優れたプロダクトであっても、システムの導入教育に時間がかかるのは本末転倒です。オーダーが入るとキッチンプリンタにオーダー内容が出てくる仕組みは変わらないので、オペレーションを変えることなく導入ができるのは大きな強みです。

また、飲食店の本部さまで本サービスが採用されても、現場の店長さまは“注文は接客の機会としてとても重要だ”と考えている方が多く活用につながっていないケースもあります。このようなことを防ぐために、本サービス導入後の利用データを拝見し、きちんと使われているかモニタリングをしています。

うまく活用できていない店舗があれば直接現場へ伺い、何が課題となって活用できないのかをヒアリングすることもあります。使い方に不明点があるようでしたらしっかりご説明させていただきますし、システムの導入に不安があるようであれば、注文に費やす時間などがどれぐらい短縮できるか定量的にご説明します。導入の定着支援まで行いますので、お客さまには安心してお使いいただけると思います。

飲食店さまやご利用のお客さまからさまざまなお声があるかと思いますが、今後の機能向上に反映されていますか?

導入される飲食店さまや利用されるお客さま目線でのUI、UXの改善は終わりのない継続的な活動だと考えています。先ほどもお話したとおり、導入後は現地に出向いて活用支援をしていますので、その際に店長さまやスタッフの方々、利用されるお客さまなど多方面から直接ご意見を伺ったり、週次で機能改善ミーティングを実施したりと、細かいところも含めて日々改善を図っています。
また、戦略的なところではLINE連携による集客のサポートや楽天ポイントとの連携も早期にリリースを進めていきたいと考えています。

オーダーエントリー連携について

ぐるなびFineOrder×FoodFrontia連携によって生み出された効果や強みはどのような点だと思われますか?

飲食店のシステムはPOSシステム、オーダーエントリーシステムを中心に作られておりますので、オーダーが入るとキッチンプリンタにオーダー内容が出てくる仕組みになっています。ぐるなびFineOrder とFoodFrontiaとの連携によって、これまでの一連のオペレーションを変えずにモバイルオーダーを導入いただけるのは大きな強みです。また、NECプラットフォームズは全国をカバーするサポート体制があるので、飲食店さまにとっても安心してお使いいただけるのではないでしょうか。

ぐるなびFineOrderとFoodFrontia連携

今後の展望

ぐるなびFineOrderの今後に向けた思いや構想をお聞かせください。

本サービスの機能改善はもちろん行っていきますが、競合他社も同じようにスピード感をもってプロダクトを改善しているので、いずれ機能の差分がなくなってくると思います。そうなった際、本サービスの強みをどこに持ってくるのか。まずはNECプラットフォームズとタッグを組んで引き続き飲食店さまの根幹であるPOSシステムとの連携を強化していくことにあります。モバイルオーダーで注文をとって決済までするというのが一連の流れではありますが、もっと飲食店目線で考えると、集客アップ、販促強化をして飲食店に来店してもらわない限り、モバイルオーダーは使われません。来店していただくための集客の部分では、われわれはぐるなびというメディアを持っていますし、楽天やLINEとの連携で集客強化を具体化していきたいと考えています。

スマートフォンを見ている女性

ぐるなびのネット予約でご来店いただき、ぐるなびFineOrderを使っていただいて楽天ポイントやクーポンの販促キャンペーンを利用してもらう。さらに次につながるリピーター施策としてお客さまのIDをシステムと紐づけてアプローチをかけていく、などモバイルオーダーを中心にしていろんな形で集客からリピート施策まで一気通貫した総合的なソリューションを提供していきたいと考えています。
ぐるなびではモバイルオーダーでの注文だけに留まらず、さまざまなソリューションをご用意し、これからも飲食店さまのトータル的な経営サポートを行っていきます。

  • 掲載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」

2021年6月に全国の飲食店を対象に本格リリースを開始し、「注文点数増加による客単価アップ」「業務量削減による接客の質の向上」「注文・会計業務の効率化による省人化」など、この1年で導入した飲食店からは様々な効果が見られています。2022年6月にはトップ画面をリニューアルし、ユーザーにとっては注文したい商品が探しやすく、飲食店にとってはメニューを訴求しやすいモバイルオーダーサービスに進化させました。

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