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2023年5月25日 ネットワークコラム
2024年2月2日 改版
2024年3月29日 改版
ネットワークの不通を防ぐには、バックアップ回線の状態を監視し続けよう
緊急時に「えっ!? バックアップ回線がつながらない!」と、ならないために昨今ネットワークの安定性が不安視される中で、ネットワークが不通になったときの万が一の備えはできていますか?
「ん? 有線回線が通信障害…? ではバックアップ用のモバイル回線に接続して…あれ?繋がらない…。これじゃ業務が継続できない! どうしよう!!」 ――なんてことがあったら大変ですよね。
ネットワークのBCP対策として単にバックアップ回線を用意するだけではリスクがあり、きちんと回線の健康状態を監視し続ける必要があります。
今回は、バックアップ回線の監視について解説するとともに、かんたんに回線の監視や通信改善が目指せるNECプラットフォームズの製品/サービスをご紹介します。

有線回線もモバイル回線も安心できない!?
多くの企業が有事の際にもネットワークを継続利用するため、バックアップ構成を考えます。
たとえば通常時は有線回線を用いて帯域を確保しておいて、災害など有線回線が物理的に使用不可となった際の備えとして、モバイル回線の利用を検討する場合があります。これを回線冗長といいます。
この場合、有線回線が物理的に断絶されてしまっても、近隣のモバイル回線基地局が有効ならばネットワーク通信を継続することができます。
ですが、このときモバイル回線も不通になってしまったら…。モバイル回線は物理的な設備に問題がなくても、環境変化によって接続性が変わってしまうという特性があります。
長期にわたって有線回線で運用する場合、いざというときにバックアップのモバイル回線がうまく接続できるかは試してみないとわかりません。

どうしたらバックアップ回線の健康状態を認識できるの? 3つの指標
モバイル回線の状態を端的に認識するには、以下の3つの指標があります。
-
通信切断
-
電波レベル
-
疎通確認

「通信切断」は、何らかの理由で基地局から切断されてしまうケースなどを想定した通信状態の指標です。電波レベルは十分であっても、基地局から切断メッセージを受信すると切断状態となってしまいます。切断状態では通信ができないのでエラーケースとなります(通常は端末側が再接続を試みて、接続できるケースも多いです)。
「電波レベル」は、スマートフォンなどと同様に、基地局からの電波を十分な強度で受信できているかの指標です。電波を十分に受けられていない場合、通信が遅くなったり、正常に通信できないことが考えられます。
「疎通確認」は、たとえばpingやhttpsなどの通信を用いてインターネット上のサーバなどとの通信疎通が取れるかの指標です。実際にインターネットにリーチ可能かを確認することになるので、通信パスが確立していることが明示的にわかります。
法人向けルータではこういった内容を監視しユーザ通知する仕組みが備わっているものの、それぞれのルータに設定付与する必要があり、手間がかかってしまうという課題があります。
NECの管理サービスを使って“かんたん”にモバイル回線を監視!
ワイヤレスVPNルータ「UNIVERGE WAシリーズ」は、ネットワークのクラウド型統合管理サービス「NetMeister(ネットマスター)」を使って、どなたでもかんたんにバックアップ用モバイル回線の監視を行うことができます。
モバイル回線にはSIMをWAルータに挿入して接続する回線と、別途USBデータ通信端末を用いて接続する回線の2種類があります。
WAルータではどちらの回線についても先に説明した3指標について、わかりやすいWeb画面で監視設定ができます。
アラーム状態を認識すると、ユーザにメールで通知されます。通常は有線回線で運用しているときにモバイル回線のアラームを知ることができるため、メイン回線が有効なうちにバックアップ回線のメンテナンスを実施することができます。

さらに監視周期やアラーム判定に関する詳細設定もできるので、シビアにモバイル回線チェックを行いたい場合や、通信料を節約するために最低限の疎通確認で済ませたい場合などにも対応できます。
このほかにもNetMeister上でNECのネットワーク製品を一元管理すると、ネットワークを統合的に監視・管理することができます。
- ※(2023年6月30日追記)本機能をご利用いただくにはWAルータのソフトウェアVer8.7.4以降を適用していただき、NetMeister Primeにご加入いただく必要がございます(2023年6月に前述ソフトウェアがリリースされ、NetMeisterからも更新可能となりました)。
延長アンテナでモバイル環境の改善を目指す

モバイルサービスの通信品質は電波環境に左右されてしまいます。
一時的に通信速度が低下したり、以前はうまく通信できていても環境変化によって接続性が恒久的に低下してしまうリスクもゼロではありません。そして、モバイルサービス側では対処が難しい場合も実際存在します。
そんなときに活躍するのがWAルータのオプション品である「延長アンテナ」です。これによってモバイル基地局との通信環境を改善できる可能性があります。
仕組みはこうです。
WAルータを設置する場所は必ずしも電波環境がいい場所を選択できるとは限りません。奥まった場所や金属BOXなどに収容する場合もあるでしょう。
このような設置環境である場合に 2.5m、5mの延長アンテナをWAルータに接続すると、WAルータの本体位置を変更せずに、電波を送受信するアンテナ部分だけを良い環境に設置することが可能になります。
たとえば、ラックに収容したWAルータから延長アンテナを伸ばして、アンテナ部分のみを窓際などの電波が入りやすい場所に置ければ、それだけでモバイル通信の品質が向上する場合もあります。
延長アンテナは、モバイル回線の監視結果を踏まえて導入いただく場合のほかに、大型案件ではあらかじめ各所に延長アンテナを設置してモバイル通信の品質確保のため導入いただく場合もあります。
モバイル通信を業務用途でお使いになる場合は、ぜひ延長アンテナもご検討ください。
(ただし、どのような条件でも効果を保証できるものではありません)
安心できるネットワーク環境を提案します
このように、NECプラットフォームズでは「UNIVERGE WAシリーズ」「NetMeister」で有線回線とモバイル回線を活用した可用性が高いネットワーク提案が可能です。
企業のBCP対策、ネットワーク管理にお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。有事の際にも安心して業務可能なネットワーク環境を構築します。
(2023年6月8日追記)
ほかにもモバイル回線の活用例として、拠点や店舗の出店展開を迅速化するソリューションもあります。本コラム内容やNetMeisterも活用し、特に飲食業や流通業などの出退店が多く伴う業種展開を力強くサポートいたします

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