サイト内の現在位置を表示しています。

開業の方法はいくらでもある。
光山氏の目に映る未来の飲食業ビジネス。

予約が取れないと有名な「肉山」オーナー光山氏の連載コラム 第3回

2020年07月28日 カテゴリ:コラム

執筆者:株式会社個人商店 代表取締役 光山 英明氏

  • 本コラムは2020年1月の情報をもとに掲載しています。

予約サイトを活用することで満卓ではなく満席を目指す

昨年、消費税が10%に引き上げられました。これは、飲食業界にとっては大きなトピックス。増税に伴う値上げを実施して、少なからず売上げに影響している飲食店もあるでしょう。『肉山』は値上げをしておらず、今のところ影響は受けていません。5%から8%に増税したときも、ずっと5000円という価格を変えませんでした。ただ。今回は消費増税に伴うキャッシュレス還元もあって、クレジットカード決済を導入しましたね。

もし、増税などが理由で客足が減ったらどうするか。もの凄く減ったら、迷わず閉めます。延命はしない。東京のお客さんは優しいと感じています。「自分が行かなければ潰れる」みたいな感じで足を運んで、店を守ってくれるのです。たまに、なんの特徴もないのに続いている居酒屋とかあるでしょう。僕が見ていても、この店、どうやって続いてるんだろうと不思議に思う。自分の店をそうしたくはない。だったら、スパッと閉めて、新しいことを考えます。もし閉めない前提ならどうするか。その場合は、お客様の幅を狭めます。『肉山』で言えば、いままで3回転していたところを2回転にしてもいい。利益は減るかもしれませんが、それでいいと思います。

飲食業界のトピックスとしては、人手不足も深刻です。ただ、『肉山』は消費増税と同じく、あまり困っていません。強いて言えば、予約の部分でシステムを導入して効率化したくらいですかね。

予約や管理、キャンセル通知などができる予約サービスサイトを活用していますが、これは、満卓ではなく満席を目指すため。例えば、5名のテーブルが空いているときに2名の予約が来た場合、直接電話で受けた場合は入れてしまいますよね。ただ、本音を言えば、できれば5名座って欲しい。満卓ではなくて満席にしたいわけですから。サイトからの予約だと、そこを上手く調整してくれます。ただ、これはお店の都合でお客さんには申し訳ないと感じることもありますね。

今の予約方法は、実際に食べに来てくれたお客さんが、次の予約を予約帳に記入しています。あとは、キャンセルがでたときにFacebookで告知。今後は、サイトでの予約をもう少し活用したいと考えています。

Facebookで意見を募集。マーケティングツールとしても活用できる

今年からクレジットカード使用を始めたり、未だに手書きの予約帳を使っていたりと、テクノロジー的なものとは縁遠いかもしれません。ただ、宣伝には、前回も書いたようにFacebookを活用していますね。あと、Facebookはマーケティングにも使っています。面白いアイデアが浮かんだら、投稿で投げかけてみるんです。すると、みんな意見を返してくれる。その温度感から、いけるかいけないかの判断もしています。

Facebookと併せて活用しているのが、LINE。フランチャイズで展開している『肉山』の店舗毎にグループを作って、メッセージを送っています。内容は、いろいろですよ。ほかの店で気づいた肉の悪い焼き方などがあれば、これはダメと写真を撮って送ったり、逆に良い焼き方も送ったりします。

飲食店にとって、バイトテロも不安の種でしょう。特に、バイトが多い大きな店舗のほうが発生しがちです。大将の顔が見えている小さい店舗では、なかなか起きにくい。いわゆる、バイトテロまで行かなくても、シフト終わりに残って店で飲むケースは多いと思います。そのとき、つい生ビール一杯なんてことはありがちですが、厳密に言えばそれは盗難。僕からするとあり得ない。うちでは、店飲みは全て禁止しています。

肉山オーナー光山氏
 

何人かで店舗を借りて、シェアしながら経営するという形もある

これからの飲食業界ですが、開業の仕方はいろんな形があっていいし、わざわざ借金してやる必要はないと思っています。

実は、『肉山』とは全く別に、港区の白金で会員制の隠れ家的居酒屋もやっているんですよ。ここは、月に12日くらいしか営業しません。まず、この決断が大胆だったと思います。ブラックとかホワイトとか言うつもりはないけれど、どうせなら従業員にも気分良く働いて欲しい。そうなったときに、働く日数と売上げの費用対効果を考えると、12〜13日がちょうど良かったんです。

そういった感じなので、結果として18日くらいは店が空いてる。そこで、そのうちの何日かをカレー屋をやりたい人に貸したりしていました。大家的な発想ですよね。そんなときに、和食屋をやりたいという人と知り合ったんです。それこそ、初期投資で2000万〜3000万円の借金を背負うという。28歳ですよ。借金するのも勉強かもしれないけれど、わざわざ苦労を背負い込む必要はない。そこで、「まずは、うちの居酒屋が空いている18日間だけ営業してみたら」と提案しました。光熱費込みの家賃は25万円。

最近は、夜営業の店で、空いている昼の時間に営業させてもらうといった間借り店舗なども流行っています。何人かで店舗を借りて、シェアしながら経営する飲食店という形もあると思いますね。

やって失敗したらやり直せばいい。思い立ったら早くやるべき

これから、飲食店の開業を目指す人へのアドバイスがあるとすれば、「やればいいじゃない!」。やって失敗したら、やり直せばいい。いずれにしろ、思い立ったら早くやった方がいいですね。

もちろん、プランを練りに練って始めるのもいいと思います。でもね、世の中、口だけの人が多いんですよ。「いつかは自分で店を持ちたい」と相談してくる人は多いのですが、「いつ、やるねん」と尋ねたら、なぜかみんな、3年後って答えるんです。でも、そういう奴は、3年後も3年経ったらやると言ってるはず(笑)。

本当にやる気があれば、「3カ月後にやりたいです」となりそうだけど、そんな相談は受けたことがないですね。多分、そういう人は相談しないで自分の力でやってるんでしょう。ご飯もまともに炊けなかった僕が、4カ月でホルモン焼き屋をオープンできたのだから、やる気さえあれば誰でもできますよ。

肉山オーナー 光山氏
 

株式会社個人商店
代表取締役 光山 英明氏

1970年、大阪市生野区生まれ。上宮高校野球部から中央大学野球部。中央大学時代は寮のある吉祥寺周辺が生活の拠点となる。大学卒業後、大阪で卸酒屋に就職。約10年勤めた後に脱サラして上京。2002年11月、吉祥寺で『ホルモン酒場焼酎屋わ』をオープンする。2012年11月には赤身焼肉の『肉山』をオープン。2015年からは、フランチャイズ展開やプロデュース、出資などを初めて、現在までに約60店舗を手掛ける。『肉山』は予約が取れない有名店へと成長、手掛けた60店舗もほぼ全てが黒字となるなど、その経営手腕には定評がある。

株式会社個人商店 代表取締役 光山 英明氏

他のコラムを読む


お問い合わせ