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”人財”が集まり続ける飲食店の取り組み

ラーメン業界に学ぶ! 外食業界コラム

2020年03月30日 カテゴリ:コラム

執筆者:株式会社繁盛塾 木村 康宏

今、飲食業界において大きな問題になっているのが「人材不足」です。特にラーメン店をはじめとする「重飲食」と呼ばれる業界において、この問題は顕著になっています。最近では、「人がいないから営業が継続できない」という「労務倒産」が相次ぐほどに大きな問題となっています。しかし、その一方で、同じラーメン店の中でも「募集をしなくてもスタッフがどんどん集まる」と、人材不足などどこ吹く風というような店もあるのが事実です。
今回は、この「人材不足」を解消するための効果的な取り組みを皆さまにお伝えしたいと思います。

CLOSE 閉店
 

人材不足の問題は「必要人員数の充足ができないこと」

「人材不足で困っている!なんとかしてほしい」という相談は2010年頃から一気に増えました。ただし、現場に赴いて「人材不足」という問題を最前線で解決していく中で、いろいろなパターンがあることがわかってきました。

  • 【1】「求人しても応募がない」という問題
  • 【2】「人が長続きしない」という問題
  • 【3】「業種に限らず、近隣のどの職場も働き手がいない」という問題

現場の問題解決を専門に活動していると、実は「必要人員数の充足ができない」という症状は同じですが、その原因は1つではないことがわかります。当然ですが、原因が異なれば処方箋は異なります。

「必要人員数を充足させる」ためには、仮に「1年前はシフトに必要な人数は揃っていた」という現場であれば、「1年間で新たに採用した人数-1年間で辞めた人数」がマイナスでなければ、俗にいう「人材不足」は起こらないわけです。(もちろん出勤可能な時間帯や曜日などを考慮しない場合にはなりますが)

つまり、人材不足になると「求人が来ない」という問題に目が行きがちではありますが、「人が長続きしないから欠員が出てしまう」という定着率の低さが問題の根底にあるケースが実は多いのです。

悩む飲食店の店長
 

”人財”が集まり続ける飲食店の取り組み

では、求人が集まり、働く人が定着する飲食店はどのような取り組みをしているのか見ていきましょう。

都内にあるラーメン店は、カウンターわずか10席の店が2店舗という小企業ですが、「雇用枠キャンセル待ち」が4名もいるという「求人繁盛店」です。そのポイントは「体育会系的要素を一切排除したラーメン店」と定義づけたことです。それによって、厨房は涼しく、肉体労働的作業はなし。休日は月8日以上保証、1ヶ月の労働時間も短い。さらには調理が簡素化されているため接客に集中でき、高い接客技術を習得できるということが他店との差別化となり、求人が押し寄せる原因となっています。

また、甲信越地方にある繁盛ラーメン企業は「県内で1番の好待遇」を掲げ、近隣の飲食店より30%高い給与で、さらに昇格スピードが速いということを売りに掲げて求人をしたところ、特に求人をしなくとも毎月2~3名の社員応募が続く状況となりました。 当たり前のことですが、求人が集まる店は「求職者にとって応募したくなる理由がある店」ですし、定着率が高い店は「社員・スタッフにとって働き続けたくなる理由がある店」です。この要素を作り込むことが何より大切ということです。

「人が集まる媒体」などないと諦めよ

しかし、求人について相談をしてくる経営者の多くは「今は何の媒体だったら当たりますか?」「あの媒体に掲載したら何人か来たと言われたんですが」のように、媒体に解決策を求める傾向が見られます。もちろん媒体によって成果に多少の違いはあるのかもしれませんが、おそらくそれは誤差程度の違いでしかないと思います。

大切なことは、あなたの店が「働きたくなる店」「働き続けたくなる店」という要素をどれだけ持っているのか?そして、それが他店との違いとして明確になるほどのものなのか?という視点で自店を見つめ直すことです。私たちのような業界に強い専門家が見ると、社内では気付かないような強みを見つける場合が多々あります。社内の人からは「え?!そんなの強みになるんですか??」と驚くようなことの場合もありますが、それを提示しただけで求人が集まるようになるケースもありますし、それをより強めることで求人に対する大きな武器になる場合もあります。大切なことはうわべではなく本質だということ。働く人は人生を賭けて応募をしてくるケースも少なくありません。ちょっとうわべを繕った程度では見破られる。それが求人というものなのです。

株式会社繁盛塾 代表取締役社長 代表コンサルタント 木村 康宏氏

株式会社繁盛塾
代表取締役社長 代表コンサルタント 木村 康宏氏

学習院大学経済学部卒。経営コンサルティング大手の(株)船井総合研究所にてラーメン業界のコンサルティングを立ち上げ、チーフコンサルタントなどを歴任。2010年、ラーメン業界専門のコンサルティング会社として(株)繁盛塾を設立。19年間にわたりラーメン店を専門とし活動を続けてきた、経営・繁盛店づくりの スペシャリスト。日本全国各地の店を支援し、その顧客の多くが地域を代表する繁盛店になり、上場を達成した会社も多数。これまで経営に携わったラーメン店は550社2,800店舗以上。業績アップ成功率は95%以上と圧倒的な実績を誇る。

専門書「日本の専門コンサルタント50」(日本コンサルティング推進機構)において、 日本の専門コンサルタント50人の中の1人として紹介されたほか、ソフトバンクグループ孫正義社長の後継経営者養成選抜組織である「ソフトバンクアカデミア」 3.5期生(選抜枠)として突破率1%の中で選抜されるなど、業界を代表する実力派。著書に「1日300人が行列する人気ラーメン店のつくり方」(同文舘出版)「ラーメン 屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら」(幻冬舎)がある。

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