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新たなブームを生み出すポイント

ラーメン業界に学ぶ! 外食業界コラム

2019年10月30日 カテゴリ:コラム

執筆者:株式会社繁盛塾 木村 康宏

ラーメンブームは1994年の「新横浜ラーメン博物館」の開業を皮切りに大きくブレイクしたブームです。それ以降、「今年は豚骨魚介系のラーメンが来る」「今年は担々麺だ」と、毎年のように新しいブームが生まれてきました。
つまりラーメンブームとは「同じラーメンが売れ続けて成立したブーム」ではなく、「数あるラーメンの中における一部のラーメンが短期間のブームの連続体として成立しているブーム」なのです。つまり、数多くある食の中でも珍しい「ラーメンの持つ多様性」がこのブームを可能にしたのです。
そして、この一連のラーメンブームを紐解くことは、これからのブームを生み出すために大いに役立ちます。

ラーメンを食べようとしている女性
 

ブームはなぜ生まれるのか?

過去のラーメンのブームを棚卸しすると面白いことがわかりました。それは、2年程度の周期で濃厚系ラーメンと淡麗系のラーメンのブームが交互にやってくるというサイクルの存在でした。しかも新しいブームは、「魚介出汁のあっさりラーメンの次は濃厚魚介」のように、1つ前にブームになった商品の味の長所を一部受け継いでいるケースがほとんどだったのです。この積み上げ算的な性質を持った周期性を分析していくと、これまでのブームが沈静化していき、新しいブームが隆盛していく背景には、「これまでの商品に対する飽き」があるということがわかってきました。

つまり「ブームは飽きによって沈静化する」、そして「新しいブームは前のブームの不足を補う要素を持って生まれる」ということです。

考えるラーメン屋
 

ブームを生み出す方法

ブームを生み出すための視点はいくつかあります。

  • 【1】世の中のトレンド(消費者のニーズや心理)を見極める。
  • 【2】周期性を見つける。
  • 【3】これまでのトレンドの流れを読み解く。

この3つです。

世の中のトレンドを見極めるためには、その時代を通じて世の中や消費者がどのような心理の状態なのかを理解することが大切です。そのためには「半年~2年程度で終わってしまう一瞬のブーム(FADS:ファッズ)をしっかりと見る」ことが大切です。このFADSはひとつひとつは「なんでこんなものが流行るんだ?」という謎めいたものがたくさんありますが、それを数年程度で一括りにしていろいろな角度から共通項を探してみると、その時代を通じて脈々と流れる10~20年単位のTRENDが見えてくるのです。このTRENDを踏まえた商品はブームになる可能性が非常に高いです。

【2】周期性を見つける、【3】これまでのトレンドの流れを読み解く、については冒頭でお伝えしましたからここでの説明は割愛しますが、こういった視点が新しいブームを生み出す手がかりとなります。ぜひ活用してみていただきたいと思います。

株式会社繁盛塾 代表取締役社長 代表コンサルタント 木村 康宏氏

株式会社繁盛塾
代表取締役社長 代表コンサルタント 木村 康宏氏

学習院大学経済学部卒。経営コンサルティング大手の(株)船井総合研究所にてラーメン業界のコンサルティングを立ち上げ、チーフコンサルタントなどを歴任。2010年、ラーメン業界専門のコンサルティング会社として(株)繁盛塾を設立。19年間にわたりラーメン店を専門とし活動を続けてきた、経営・繁盛店づくりの スペシャリスト。日本全国各地の店を支援し、その顧客の多くが地域を代表する繁盛店になり、上場を達成した会社も多数。これまで経営に携わったラーメン店は550社2,800店舗以上。業績アップ成功率は95%以上と圧倒的な実績を誇る。

専門書「日本の専門コンサルタント50」(日本コンサルティング推進機構)において、 日本の専門コンサルタント50人の中の1人として紹介されたほか、ソフトバンクグループ孫正義社長の後継経営者養成選抜組織である「ソフトバンクアカデミア」 3.5期生(選抜枠)として突破率1%の中で選抜されるなど、業界を代表する実力派。著書に「1日300人が行列する人気ラーメン店のつくり方」(同文舘出版)「ラーメン 屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら」(幻冬舎)がある。

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