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NECプラットフォームズ、掛川事業所の新工場を操業開始

~ローカル5Gを活用した自働搬送システム導入などで生産効率30%向上~

2023年8月29日
NECプラットフォームズ株式会社

NECプラットフォームズは、静岡県掛川市の掛川事業所内に建設した新工場について、本年8月から本格稼働を開始しました。

新工場では、ローカル5Gを活用した自律走行搬送ロボット(以下AMR、注1)の運用や、AMRと無人搬送車(以下AGV、注2)の同時複数台制御など、先進技術を活用した仕組みを取り入れることで製造工程の自働化・高度化を図り、掛川事業所全体で生産効率30%向上を目指します。AMRの導入により工場内のフロアレイアウトの自由度も向上しており、新製品の生産ライン立ち上げや増産・減産など、変動する市場環境や顧客ニーズに柔軟に対応していきます。なお、ローカル5Gを生産ラインに敷設して複数台のAMRを運用することは製造現場において先進的な取り組みです。

掛川事業所の新工場の写真拡大する掛川事業所の新工場の外観

自働搬送システムの写真拡大するAMRなどを用いた自働搬送システム

掛川事業所は、NECグループの社会インフラ事業を支えるものづくり拠点として、様々なネットワーク関連機器などを供給しています。昨今我が国では、半導体逼迫などの経験からサプライチェーン網の強靭化や、経済安全保障の観点から国内での高度な生産体制の構築が求められています。一方で生産年齢人口の減少による人手不足が進む中、当社は中長期的にネットワーク関連機器を安定供給していくために生産効率を高めた新工場を建設し、国内の生産体制を強化します。

新工場は、地上4階建て、延べ床面積15,632平方メートルで、主に5Gモバイルルータ、5Gホームルータ、ホームゲートウェイ、企業向けLANスイッチ(注3)、無線LAN製品などを製造します。長年NECグループのものづくりを担ってきた経験・ノウハウを活かし、下層から上層へ製造工程の流れに沿った建物構造で作業効率を高めたほか、ICカードと顔認証を組み合わせた厳格な入退出管理によるセキュリティ対策や、各フロアの入り口にエアシャワー付きバスボックスを設置するなど工場のクリーン度(清浄度)を強化しています。

また、新工場の屋根に太陽光パネルを設置し、自家消費型の太陽光発電システムを導入しています。年間約281Mwhの発電量を見込んでおり、新工場の消費電力の約10%を再生可能エネルギーで賄い、一般家庭約40世帯の年間排出量に相当する(注4)CO2約120tを削減できる予定で、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献していきます。

新工場の主な特長

  • 1. 最先端のデジタル技術を活用し生産性向上
    セキュア・広範囲カバー・安定通信といった特徴を持つローカル5Gによる通信環境を構築し、物の搬送にカメラ映像データから自己位置を推定するVisual SLAM技術(注5)を用いて自律的に走行するAMRを複数台活用します。AMRの運用にあたり、NECの自律移動ロボット管制制御ソフトウェアであるNEC マルチロボットコントローラ(以下 MRC、注6)を採用しております。MRCにより、AMRの最適な走行経路をリアルタイムに計算し、渋滞回避やAGVの位置情報を活用し交差点制御を行うことで安全かつ高効率な自働搬送を実現します。
    なお2021年より、当社甲府事業所でNECと共に製造現場におけるローカル5Gの活用に関する検証を進めており、今回NECグループの製造現場で初めてローカル5Gを実運用します。
    他にも電子部品をプリント基板に実装する表面実装工程(SMT工程)において、量子コンピューティング技術を活用した生産計画立案システムを導入して作業計画や人員配置を最適化しています。今回新たに、作業進捗状況を踏まえた最適な作業順番を常に再計算して作業者に指示する機能を取り入れており、効率的な順番で生産するための段取り(注7)にかかる時間を50%削減と設備稼働率の向上を見込んでいます。長年の現場革新活動で浸透した弛まぬ現場改善に加え最先端技術の導入によるデジタル活用で、ものづくり現場の変革をDXで加速していきます。
  • 2. 「セキュア生産」の推進
    当社では、セキュリティの確保された製品を提供するとともに製品に関する秘密情報をサプライチェーン全体で保護するため、独自のセキュリティ基準でセキュアな調達、セキュアな製造、セキュアなロジスティクスを行う「セキュア生産」(注8)を適用しています。
    新工場では、業務に応じて入退出可能な区画を設定し、ICカードと顔認証を組み合わせた入退出システムで人の出入りを厳格に管理しています。また、生産ネットワークの細分化(セグメンテーション)とUTM機能(総合脅威管理:Unified Threat Management)などを搭載したセキュリティ機器の導入により、サイバーセキュリティリスクの軽減を図っています。これにより、「セキュア生産」を推進してフィジカル空間とサイバー空間の両面から安全・安心なものづくり空間を実現します。
  • 3. クリーン度の強化
    新工場は、各フロアの入り口にAGVからの搬送物を高速エアーにより除塵するエアシャワー付きバスボックスの設置や、上層階への搬送するバーチレーター(注9)をフロア内に導入しています。これにより、室内の浮遊微粒子である塵・ホコリや浮遊微生物の発生を抑え、製造フロアのクリーン度をネットワーク関連機器の製造フロアとしては高いレベルのクラス7(注10)相当の運用を目指しています。高水準のクリーン度にすることで、製造品の品質を高めてより良い製品をお客様に提供していきます。

NECプラットフォームズは、あらゆるデータやシステムを連携させたスマートファクトリーを目指しており、ものづくりを通じて安全・安心・効率・公平な社会価値を創造し、人びとが豊かさや生きがいを感じられるような社会の実現に貢献していきます。

以上

新工場の太陽光パネルの写真拡大する新工場の太陽光パネル

MRCの画面イメージ拡大するMRC画面イメージ

入退出システムの写真拡大するICカードと顔認証による入退出システム

エアシャワー付きバスボックスの写真拡大するエアシャワー付きバスボックス

NECプラットフォームズ 掛川新工場の概要

着工時期 2022年3月
竣工時期 2023年4月
建物構造 鉄骨造、地上4階建て
生産フロア 9,315平方メートル
延べ床面積 15,632平方メートル
主力製品 5Gモバイルルータ、5Gホームルータ、ホームゲートウェイ、企業向けLANスイッチ、無線LAN製品
  • (注1)Autonomous Mobile Robot:自律移動ロボットの略称。
    無人搬送車(AGV)が事前に定められたルートを周回し、物を搬送するロボットであることに対し、AMRは事前に定められたエリア内を自律的に周回し、物を運ぶことが可能となる。
  • (注2)Automatic Guided Vehicle:無人搬送車の略称。
  • (注3)同じネットワーク内のデバイス同士の通信を高速に行うための機器。スイッチに対してルータは、異なるネットワーク間の通信を可能にするための機器。
  • (注4)環境省の令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査より、世帯あたりの年間 CO2排出量を2.9tとして算出。
  • (注5)Visual SLAMは、映像データを用いて自己の位置や姿勢の推定と環境地図作成を同時に行う技術です。映像を元に位置測位を行うため、屋内GPSなどのアンテナを設置する必要もありません。
  • (注6)「NEC マルチロボットコントローラ」は、AMRをはじめとする自律移動ロボットの運用において、複数台・さまざまなタイプのロボットを、集中的に管理・制御できる自律移動ロボット管制ソフトウェアです。自律移動ロボットの走行経路を算出するNEC独自の機能により、現場のレイアウト変更や業務状況の変化に柔軟に対応できます。さらに、用途の異なる複数のロボットを集中管理できるため、業務ごとに発生していた従来の運用・管理工数を削減することが可能です。
  • (注7)一つのSMTライン(電子部品をプリント基板に実装する表面実装工程)で複数品種の製品を生産する場合、品種変更の際に数百種ある部品や製造条件の設定を変更すること。
  • (注8)製品の生産現場にサイバーセキュリティとBCPの考え方を採用した生産方式。サイバーセキュリティに関する知見やノウハウを共有しながらサプライチェーン含めて管理するとともに、BCPの考え方を取り入れサイバーインシデントが発生しても最短で復旧できるようにする。
  • (注9)荷物を水平にしたまま、連続的に上下の搬送ができる機器のこと。
  • (注10)クラスは空気中の微粒子がどの程度少ないか示す規格企画であり、国際標準化機構(ISO14644-1)が分類したクリーンルームにおける清浄度の尺度。クラス7は、1m3当たりの空気中に0.5μm径の微粒子が352,000個まで許される清浄度。
  • 記載されている会社名、製品名、サービス名などは該当する各社の登録商標または商標です。

NECプラットフォームズ掛川事業所について

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

Orchestrating a brighter world

NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。
https://jpn.nec.com/profile/brand/

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