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社員食堂の決済システム導入ステップ:成功事例と注意点
2025年03月26日 カテゴリ:コラム
執筆者:NECプラットフォームズ
近年、企業の福利厚生として社員食堂の整備・充実が注目される一方で、現金管理の手間や混雑対策、人件費の増大などさまざまな課題も浮上しています。そこで注目を集めているのが、「社員食堂の決済システム」や「売上管理システム」を導入してキャッシュレス化・省人化を図る方法です。導入によって食堂利用者の満足度や運営効率が大幅に向上するため、多くの企業が取り入れ始めています。
本記事では、社員食堂の決済システム導入のステップをわかりやすく解説するとともに、成功事例や導入時の注意点についても詳しくご紹介します。

1. 社員食堂決済システムが求められる背景
1-1.現金管理の手間とリスク
従来の社員食堂では、現金精算が主流でした。しかし、釣銭の準備や会計作業の煩雑さ、現金管理リスクなど、多くの課題がありました。キャッシュレス決済への切り替えはこうしたリスクや手間を減らすための有効な手段といえます。
1-2.利用者(社員)の満足度向上
社員が毎日利用する社員食堂において、レジ待ちの行列や現金のやり取りはストレスになりがちです。スムーズな会計フローとセルフレジの導入は、利用者にとっても利便性を高めるポイントです。
1-3.データ活用・コスト最適化
キャッシュレス化や決済データの一元管理により、メニュー別の売上分析や在庫管理が容易になります。食材廃棄ロスの削減や繁忙時間帯の最適なスタッフ配置など、コスト最適化にもつながります。
2.社員食堂決済システム導入のメリット
1.キャッシュレス対応による混雑緩和と効率化
ICカード決済やQRコード決済、顔認証など、多様な方法でスムーズに会計が可能になります。
2.売上・利用状況の可視化
POSや管理システムで売上データを自動集計し、リアルタイムで把握することで、メニュー改訂や在庫管理に役立ちます。また、複数拠点の食堂売上データなどを一元管理することも可能です。
3.人的コストの削減
セルフレジや券売機などを活用し、食堂業者様の運用コストの負担を軽減できるため、限られた人員をより効率的に配置できます。
4.企業のイメージアップ
デジタル化やDX推進が進む中で、キャッシュレス決済の採用、効率的な社食を運営が先進的な企業としてのイメージ向上に寄与します。
3.社員食堂決済システム導入ステップ
ここでは、導入に至るまでの大まかな流れを5つのステップでご紹介します。
3-1.目的・課題の整理
- 食堂の混雑緩和をしたいのか、現金管理コストを削減したいのか、あるいはデータ分析でメニュー改革を行いたいのかなど、まずは目的を明確化しましょう。
- 食堂運営における課題を洗い出し、導入の優先度や求める機能を一覧化します。
3-2.システムの比較検討・要件定義
- キャッシュレス対応の方法(ICカード、QRコード、社員証連携)を検討します。
- 既存の社員管理システムや給与システムとの連携が必要な場合は、対応可能かどうかを確認します。
- 電子マネーなどの利用を検討している場合、決済業者(アクワイアラ)との契約期間などを考慮する必要があります。
3-3.ベンダー・食堂業者との打ち合わせ
- ベンダー(システム提供会社)や食堂業者と具体的な導入方法を協議します。(スケジュール、メニュー商品、運用など)
- 導入後のサポート体制や運用マニュアルなど、アフターケアの充実度を確認することも大切です。
- 食堂の新規建築、改築をする場合、食堂業者、システムベンダーだけでなく、食堂機材、家具業者、食器業者との調整も必要になります。
3-4.導入準備・システム設置
- ハードウェア(セルフレジ、POS端末、券売機など)の設置や、商品、メニューなどマスターの初期設定を行います。
- 食堂スタッフや運営担当者向けに、実際の操作方法・運用手順の研修を実施します。
- プレオープンの実施、社員への事前連絡が必要となります。(他社システムへの入れ替えやプリペイド決済などから決済手段を変更する場合など)
3-5.運用開始・効果測定
- 運用開始後、売上データや利用者数の推移を確認し、改善ポイントを探ります。

4.導入事例
ここでは、実際に社員食堂の決済システムを導入した事例を簡単にご紹介します。
株式会社A社様
- 工場の食堂
- 1日の利用者数:約300人
- 食券販売からセルフ決済に切り替えを希望
- 現金管理から交通系電子マネーに決済変更を希望

「食券の現金販売を非接触決済方法に変更したい」という依頼がありました。現地運用を確認すると現金販売の食券機を利用されており、食堂業者の現金管理などコストがかかっていること。新紙幣の発行による既設の食券機の入れ替えなどに課題を抱えていました。
弊社からは交通系電子マネー決済のセルフ注文端末をご提案。これまでと運用が変わることから利用者の導線の提案、電子マネーアクワイアラ(決済業者)のご紹介などをさせていただきました。提案、導入時にはデモ機での実演、食堂業者様との運用確認、操作説明などを実施させていただき、トラブルなく運用開始できました。また、どうしても以前の食券運用からセルフ注文機での注文に戸惑われるお客様もいらっしゃいましたので運用開始当日は弊社にてオペレーションをサポートさせていただきました。
現金管理、食券管理がなくなったことでコスト削減や電子マネー決済によるスピーディな会計でご利用者様が快適に食堂利用できる環境をご提供することができました。
株式会社B社様
- 都内新オフィスの食堂
- 1日の利用者数:約600人
- オートレジを利用のカフェテリアを希望
- 複数の電子マネー決済を利用したい
- 特定の商品セットによる割引の実施をしたい

「新しいオフィスにカフェテリア形式の食堂を用意したい」」という依頼がありました。
都内での食堂のため複数の電子マネー(交通系、Edy、iDなど)を利用したいとのこと。オートレジ運用のカフェテリアのため、オートレジ用の食器のご提案、食堂建設業者とのシステム稼働のためのお打合せ(POS設置場所、ネットワーク、電源などの設置)を実施させていただきました。また、オートレジ台家具業者とPOS設置するためのサイズとスケジュール調整を実施し、スムーズに運用開始できるように各社との調整を行いました。
上述のA者様と同じく、食堂業者様とはメニューや商品の確認、割引運用についての運用確認を行い、事前の操作説明などを実施致しました。また、B社様から新しい食堂、食堂業者、システムの導入のため、食堂開店に問題がないようプレオープンを実施したいとのご要望があり、スケジュール調整し、プレオープンまでの必要機材、食器などの納品、事前準備、電子マネーの利用などを準備させていただきました。
入念な打ち合わせと各社が協力して事前準備をした結果、プレオープンも問題なく開催でき、運用開始もトラブルなく利用することができました。
5.導入時の注意点
5-1.現場運用との整合性
新しいシステムを導入しても、スタッフが使いこなせなければ効果は半減します。操作研修や導入初期のサポート体制がしっかりしているベンダーを選ぶことが重要です。 弊社では操作研修、運用サポート、導入後の保守も一括で対応いたします。
5-2.システム連携・セキュリティ
社員情報との紐づけや、給与天引きなどの仕組みを導入する場合は、既存システムとの連携が必須です。個人情報や決済データの扱いに関するセキュリティレベルを確認しましょう。
5-3.食堂業者との連携
特に食堂業者がシステムを運用管理するケースでは、業者側の運用ノウハウやサポート体制も導入成功の鍵を握ります。業者が「使いやすい」「導入しやすい」と思えるように、システム提供側がしっかり伴走することが大切です。
6.まとめ:導入成功へのポイント
社員食堂の決済システム導入は、キャッシュレス化・省人化による効率改善だけでなく、データを活用したメニュー改革やコスト最適化など、企業と食堂業者の双方に多大なメリットをもたらします。
- 明確な目的設定と要件定義
- 食堂業者の運用負荷とノウハウ蓄積のしやすさ
- 導入後のサポート・アフターケア体制
- 費用対効果とセキュリティ対策
これらのポイントを押さえて、ぜひ社員食堂の決済システムを検討してみてください。導入による利便性の向上が社員の満足度向上や企業ブランディングにも大きく寄与することでしょう。
社員食堂の決済システム導入は、単なるキャッシュレス化にとどまらず、食堂運営と職場環境の充実につながります。ぜひ、上記ステップや成功事例を参考に、自社に合ったシステム選定と導入を進めてみてください。
- ※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
- ※iDは株式会社NTTドコモの登録商標です。
- ※Edyは楽天グループのプリペイド型電子マネーサービスです。
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当社では、数多くの社員食堂に「売上管理・キャッシュレス決済システム」を導入してきた実績があります。セルフレジや食堂業者向けの充実したサポートなど、お客様のニーズに合わせた柔軟な提案が可能です。
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