サイト内の現在位置を表示しています。

遠隔監視制御システム コルソス 導入事例独立行政法人都市再生機構 様

サーバ要らずの簡易集中監視システムで
排水ポンプの効率的な維持管理とランニングコスト削減を実現

業種:建設・不動産 サービス業 業務:営業・販売 保守・サービス 製品:コルソス

事例の概要

課題背景

  • 機械式駐車場の排水ポンプ通報システム保守期間終了が迫り、システムを見直したい

  • 一部通信回線のサービス終了を控え、通信方法を変更したい

成果

通信回線を変更し、ランニングコストを削減

通信回線をLTEに変更することで回線費用を削減。また、コルソスを利用した簡易集中監視システムにより、一般的なオンプレミス運用では必要なサーバ設置が不要に

遠隔地からの稼働状況確認で設備維持管理を効率化

駐車場設備からの自動通報に加え、住まいセンターなどの汎用PCから稼働状態の確認が可能になり、排水ポンプ維持管理作業の効率化・省力化に貢献

フレキシブルデザインによる設置柔軟性

A4サイズのコンパクトな筐体をはじめとする高い設置柔軟性により、既存の設置場所を活用することで導入コストを抑えたシステム更新を実現

システムイメージ

システム構成図

本事例に関するお問い合わせはこちらから

事例の詳細

導入前の背景や課題

日本の住宅市場をサポート

独立行政法人都市再生機構(以下、UR都市機構)様は、日本の高度経済成長期にあたる1955年に発足した日本住宅公団が母体となり、住宅の安定供給と快適な住生活の実現を目指して約70年にわたり日本の住宅業界を支えてきました。現在も全国で約70万戸(2024年4月時点)のUR賃貸住宅を提供するとともに、都市再生事業や災害対応支援なども行っています。

保守期間終了を迎え通報システムを見直し

UR都市機構様が提供する全国の賃貸住宅に設置された機械式駐車場には、大雨・豪雨時の冠水防止用排水ポンプと、ポンプの異常検知時などに発報する自動通報装置が整備されています。従来、これらの排水ポンプに故障や異常が発生した場合には、駐車場設備の通報装置が通信回線を介して異常を自動発報し、監視拠点である住まいセンターに設置されたPCで専用ソフトウェアを使い通報を受信していました。

この通報システムは導入から10年以上が経過し、保守期間終了が間近に迫っていました。そこで、改めてシステムや運用方法を見直したところ、装置の老朽化が見られたことや一部で使用していた通信回線もサービス終了を控えていたため、従来のシステムを継続使用することは難しい状況でした。

機械式駐車場イメージ
機械式駐車場イメージ

現場管理を効率化するシステム更新を検討

そこでUR都市機構様では、低コストで確実な監視・通報システムの検討が進められました。時を同じくして当社では、コルソスがさまざまな運用形態に柔軟に対応できることや、各種通信インフラを通じて設備の稼働・故障状況や計測情報を監視・通報・制御する機能がパッケージ化されていることから、UR都市機構様が求める条件に対応できる可能性が高いと判断し、提案の準備を開始しました。

提案のポイント

公募要件に合致した簡易集中監視システム

NECプラットフォームズは2022年春、同機構が実施した公募にオンプレミス監視による運用ではなく、コルソスを利用したサーバ不要の簡易集中監視システムを提案しました。このシステムでは、駐車場設備と住まいセンター間の通信モジュールに当社製M2Mアダプタ EA01Aを採用。EA01Aは小型で対応温度の幅が一般的なルータと比較し広く、取りつけ場所への高い柔軟性を持ちます。給電もコルソス本体からされるため、停電のような緊急時においても通報が可能です。

また、通信回線には閉域ネットワークによるLTE回線を用いることで、安定した通信品質と安全性の高いセキュリティ環境を実現するだけでなく、従来の通信回線にかかっていたランニングコストを削減することができます。

さらに、監視できる対象数がこれまでよりも増えるため、電気系統や各機器など設定項目を細分化することで、異常通報があった場合にも具体的にどの部分に異常が発生しているのかを把握でき、初動時の対応効率向上が期待できます。

これらの特長を活かした提案がUR都市機構様の公募要件と合致し評価につながったと考えています。そして2022年秋より順次、全国の機械式駐車場と住まいセンターへコルソスを利用した簡易集中監視システムの導入が進められ、2024年度から本格的な稼働が開始しました。(2024年4月時点668台稼働)

導入後の成果

初期費用・ランニングコストともに削減

一般的に、オンプレミス運用ではサーバ設置が必要ですが、コルソスによる簡易集中監視システムでは、住まいセンターへのサーバ設置が不要です。また、これまで使用していた通信回線に代わりLTE回線を導入。これにより、通信費が削減され、サーバ設置の初期費用だけでなくランニングコストも削減されました。

遠隔地からの稼働状況確認で設備維持管理を効率化

駐車場排水ポンプからの異常通報だけでなく、住まいセンターの汎用PCから各駐車場排水ポンプ稼働状況が一覧で確認できるようになりました。現地まで確認に行く回数が減り、メンテナンス作業の効率化にもつながります。 さらに、日報、月報、年報を自動作成する機能もあり、報告業務の効率化にも貢献しています。

画面イメージ
簡易集中監視画面

フレキシブルデザインによる設置の柔軟性

コルソスはA4サイズのコンパクトな筐体であることに加え、通報/電源ユニットの分離構成、縦/横設置の選択、制御盤内のDINレールへの直接取り付けなど、高い設置柔軟性を持ちます。

これにより、システム更新に伴い新たな設置環境を整備せずとも、既存の設置環境を活用することで導入コストを抑えることができました。

設置イメージ
実際に設置されている様子

導入から1年、経過も順調

導入からこれまでにシステム自体の問題もなく、安定した運営が行われています。
近年は線状降水帯や集中豪雨などが多発し、都市部においては冠水被害が甚大化。特に集合住宅では、駐車場設備が地下に整備されていることも多いため、排水ポンプの保守管理は住民の安心・安全な生活の維持にとって重要な役割を担っています。

遠隔監視制御システム「コルソス」は1972年の発売以来50年以上にわたり、自動通報装置や設備監視装置として多くの企業や自治体で採用されてきました。NECプラットフォームズはこれからも、設備データの収集・分析による不具合予兆通報や自動復旧制御といった機能の実現を目指すとともに、遠隔監視制御システム「コルソス」でお客さまの大切な設備を見守っていきます。

お客様プロフィール

独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)様

所在地 〒231-8315
神奈川県横浜市中区本町6-50-1
横浜アイランドタワー
設立 2004年7月(都市基盤整備公団と地域振興整備公団・地方都市開発整備部門が統合、1955年に前々身の日本住宅公団設立)
事業内容 都市再生事業、賃貸住宅事業、災害復興支援事業、海外展開支援事業等
URL new windowhttps://www.ur-net.go.jp/

外観

この事例の製品・ソリューション

本事例に関するお問い合わせはこちらから

(2025年4月17日)