東洋観光株式会社様 : フードサービス業ソリューション : 導入事例

セルフオーダーシステムの導入により、業務効率化＋観光PRを同時に実現。
店舗ごとに異なる規模や業態に適したPOSレジの導入とともに、クラウドによる一元管理を可能に

業種：卸売・小売業・飲食店　業務：営業・販売　製品：FoodFrontia St オーダーエントリーシステムNECモバイルPOS

事例の概要

課題背景

人手不足のため業務の効率化を図りたい
観光業の盛り上げへの協力に関する補助金制度を使い、デジタルサイネージで観光情報を配信したい
サーバの老朽化、移転に伴いクラウド管理を検討したい

成果

セルフオーダーシステムの導入で業務を効率化し、現場の作業負担を軽減

お客様ご自身でセルフオーダー端末から注文できるようになり、オーダー業務が効率化されたことで、導入前と比較して１人少ない体制でもスムーズなフロア業務が可能に

セルフオーダー端末を活用し、観光情報動画で広島の魅力をPR

セルフオーダー端末を卓上サイネージとして活用することで、料理が提供されるまでの間に多くのお客様が動画を閲覧。広島の魅力をPRすることで観光業に貢献

異なるPOSレジシステムの一元管理を実現

クラウド管理システム「Skymart」の導入で、仕組みが異なる専用機とタブレット型のPOSレジシステムも一元管理が可能に。勤怠管理や受発注管理など、将来的な機能拡張も検討

システムイメージ

本事例に関するお問い合わせはこちらから

お問い合わせ

事例の詳細

導入前の背景や課題

広島に根付く老舗企業

1949年創業の東洋観光グループホールディングス様は、広島県内でホテル・飲食事業から冠婚葬祭、介護、不動産事業など幅広く展開する「総合生活提案企業」として、広島経済の一翼を担っています。同グループの東洋観光株式会社様は、広島市中心地にある「ひろしま国際ホテル」を中心に、ホテル・飲食店の運営事業、レストランなどの運営受託事業などを手掛ける中核会社です。

人材不足で業務効率化が急務

さまざまな業界において、少子高齢化に伴う人材不足は共通の課題ですが、特に宿泊業や飲食業といった接客業界では深刻化しています。ホテル・飲食店を手掛ける同社においても、人手不足に対応するための業務効率化は喫緊の課題でした。フロアスタッフは、お客様のオーダーをハンディターミナルで受け、料理・飲料を配膳していましたが、繁忙時間帯はオーダー・配膳などの複数業務を同時に対応する必要があり、スタッフの負担になっていたといいます。

POSレジ更新と観光支援補助金制度のタイミングを利用

ちょうどレストラン3店舗に導入していたNECプラットフォームズのPOSレジが更新時期を迎えていたことに加え、コロナ禍で落ち込んだ観光・宿泊業を支援するため、地元商工会で広島の観光PR事業への補助金制度が立ち上がりました。そこで同社では、観光・宿泊業の活性化支援と業務効率化を同時に実現できないか、検討を開始。既存POSレジの更新についてNECプラットフォームズに問い合わせつつ、並行して他社製品についても比較・検討を行いました。

また、同社が手掛ける飲食店は、ホテル内レストランやバル、居酒屋など、ジャンルも規模も、客層もバラエティーに富んでいます。人手不足を補うための業務効率化に加え、店舗によって異なるPOSレジシステムを一元的に管理したい、というニーズもありました。

セルフオーダーが設置された中華薬膳料理トンフォン — 中華薬膳料理トンフォンの店内

選択のポイント

予算に応じた提案と手厚いサポートに安心感

東洋観光株式会社　統括マネージャー　長澤光氏 — 東洋観光株式会社
統括マネージャー
長澤光氏

補助金制度の利用を前提とした予算設定も含め、さまざまなニーズを網羅する必要がある中、NECプラットフォームズから、FoodFrontiaシリーズの専用機POSとセルフオーダーシステムが提案されました。セルフオーダーシステム「FoodFrontia St」は、卓上のタブレット型セルフオーダー端末で動画が再生できるため、POSレジ刷新と観光情報を卓上サイネージで発信したいという要望に合致していたといいます。

さらに予算範囲内に収めるため、客単価が高い大規模3店舗に専用機POS、比較的お手頃なメニューを提供する中小規模の5店舗にタブレット型のNECモバイルPOSを導入するとの追加提案を受け、同社宴会部・中華海鮮薬膳トンフォン統括マネージャーの長澤光氏は、「客層・店舗規模に応じた機器提案は、柔軟性もあり納得できました」と話します。クラウドサービス「Skymart」を使った、専用機POSとNECモバイルPOSの一元管理の提案も、「将来の拡張性を視野に入れた寄り添った提案だと感じました」。

8店舗すべてでオーダーシステムを刷新するため、「どのような手順を踏めばいいのかイメージがわかなかったのですが、セルフオーダー端末のメニューブックのとりまとめや作成手順など、NECプラットフォームズから現場サポートをしてもらえると聞き、安心しました」と振り返ります。すべての問い合わせ窓口がNECプラットフォームズに一本化されていたことも、安心材料の一つ。柔軟性がある提案内容と充実したサポート体制が、導入の決め手になりました。

導入後の成果

オーダー業務の効率化を実現

3～4か月かけて、セルフオーダー端末に載せるメニュー内容の検討、画像の準備やPOSレジシステムの構築などを進めました。会話に代わり、セルフオーダーシステム上でいかに魅力的な料理説明をできるかが重要になるため、デジタルメニューブックのクオリティには特にこだわったといいます。2021年9月の導入開始と同時に、「担当している店舗では、これまでと比べて１人少ない体制でもスムーズにフロア業務ができました」と長澤氏は話します。

さらに導入から半年後、一時的にデジタルメニューから通常メニューに戻した際には、現場から「いつセルフオーダーシステムに戻せるのか」との声が相次ぎ、「改めてスタッフの業務負担軽減につながっていたことに気づかされました」（長澤氏）。

一方、今までとは異なるオーダーシステムの導入で現場スタッフの不安も大きく、また年齢層の高いお客様や常連のお客様が多い店舗では、セルフオーダーシステムを使うことが難しいのではないかとの声もあり、各店舗の店長へのヒアリングも含めて何度も検討を重ねたといいます。「NECプラットフォームズによるサポートや研修会を重ねることで、導入後はスムーズに使いこなせていました。コロナ禍で十分な準備期間があったことも幸いでした」（長澤氏）。慣れない操作に苦慮するお客様に対しても丁寧に説明できたため、お客様側もスムーズに使えるようになっているとのこと。その結果、常連のお客様の来店回数も増えているといいます。

また、これまでPOSレジとクレジット端末にそれぞれ入力する必要があり二度手間になっていた店舗では、POSレジの刷新でクレジット決済端末と連動できるようになり、会計業務の負担軽減につながりました。

動画による観光情報が好評

卓上のセルフオーダー端末で発信する観光情報も、料理が提供されるまでの間を利用して、動画や画像を見ているお客様が多いようです。「閲覧件数までは把握していませんが、おしぼりや料理を持っていくと、大半の方が動画を観てくださっていますので、広島をPRできているという実感があります」と、長澤氏は話します。現在は、商工会から提供される動画に加え、自社で制作した周辺地域の観光情報も流し、観光PRツールとして活用しています。

ミカーサの店舗に設置しているセルフオーダーシステム — 卓上のセルフオーダー端末で発信する観光情報

クラウドによる販売管理を実現

「Skymart」を使ったPOSレジシステムの販売管理は、2022年8月に導入。これによって、専用機POSとNECモバイルPOS、仕組みが異なる2種類のPOSを一元管理できるようになりました。また、自社運用のローカルサーバからクラウドへの移行後も、問題なく運用できています。

現在は販売管理のみですが、「Skymart」を採用したことで勤怠管理や受発注管理など、将来の機能拡張も視野に入れながら、今後の管理体制を検討できるようになったといいます。

今後の展望

充実したサービス提供に向けて体制強化へ

コロナ禍の生活が徐々に明け、広島にも海外・国内観光客が戻り始めています。同社でも、セルフオーダーシステムに「観光情報だけでなく、料飲部門やグループ全体を紹介するような動画も掲載し、積極的な情報発信ツールとして活用したい」考えです。

また、基幹拠点である「ひろしま国際ホテル」は、お客様に満足していただけるようなサービスを提供するため、今後も現場の業務効率化は継続して実施していく方針です。「配膳ロボットや清掃ロボットをデモンストレーションしていただきました。また、管理面でも顔認証システムによる勤怠管理なども紹介いただき、本部で検討を始めている」とのこと。今回導入したPOSレジシステムをベースに、今後も追加可能な機能や業態に合わせた機器類など、きめ細かな提案に期待を寄せています。

お客様プロフィール