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ネットワークインフラ構築 導入事例公益財団法人 石橋財団 様

UNIVERGEシリーズで全エリア利用可能なWi-Fi網を構築、
優れた意匠性は損なわず先進的な美術館を実現

業種:文教・科学  業務:その他業務  製品:通信・ネットワークIX2215QXシリーズSV9300ST500

事例の概要

課題背景

  • 可能な限りIT化した「先進的な美術館」実現のため、シームレスな館内ネットワークを構築したい

  • 美術館の意匠性や展示作品の鑑賞を妨げないように機器を配置したい

  • 来場者向け音声ガイドをストレスフリーで提供したい

成果

「先進的な美術館」を支える総合的なネットワークシステムを構築

美術館独自のクラウド環境や基幹システム、来館者向けサービスなどを根底で支える総合的なネットワークシステムの構築により、開かれた先進的な美術館の実現に貢献

全エリアで利用可能なLAN・Wi-Fi網と館内ネットワークを保護するセキュリティシステムを構築

VPN対応高速アクセスルータ「IX2215」、LANスイッチ・無線LAN「QXシリーズ」を導入。1台で3つの認証方法に対応するセキュリティ機能や仮想ネットワーク化を実現し、館内をくまなく網羅したWi-Fi網を安全かつスムーズに利用できる基幹ネットワークシステムを構築

スマホを使った館内ネットワーク環境の確立による業務効率化

コミュニケーションサーバ「SV9300」とスマートフォンの内線化を可能にする「ST500」を導入し、外線・内線電話のストレスフリーな通話ネットワークを、美術館と保管庫拠点に整備。固定電話から各自スマートフォンに変更したことで、情報共有のタイムロスを解消し業務効率化を実現

配置する場所に応じた配線・配色の工夫

意匠性を損なわないように、無線アクセスポイントの配置場所に融合するような配線、配色などのカスタマイズを実施

ネットワークイメージ

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事例の詳細

公益財団法人 石橋財団
情報システム課 課長 直塚 俊介 氏

導入前の背景や課題

リニューアルオープンを機に「先進的な美術館」を目指す

公益財団法人 石橋財団様は、東京・京橋のアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)において美術館事業と芸術・文化・教育活動を支援する寄付助成事業に取り組んでいます。美術館が入居していたビルの建て替えに伴い、2015年5月にいったん休館。その後「アーティゾン美術館」に名称を変更し、2020年1月にリニューアルオープンしました。

リニューアルに伴い掲げたコンセプトは「先進的な美術館」。石橋財団様では2015年にITプロジェクトを立ち上げ、美術館のあるべき姿とIT化について検討し、システム構築を行ってきました。その中でも、開館に合わせて実現した独自のクラウド環境と、それを支えるネットワークの構築はプロジェクトの根幹と言えるものでした。

同財団の情報システム課 課長の直塚 俊介氏は、「開かれた先進的な美術館の実現には、IT技術が欠かせません。その上で、作品を観るだけではなく“より楽しんでもらう”ためには何が必要か、という視点を大切にしました」と話します。

先進的なサービス提供を実現するための基幹システムを検討

今回導入したのは、UNIVERGEシリーズのVPN対応高速アクセスルータ「IX2215」、LANスイッチ・無線LAN製品によるネットワークシステム「QXシリーズ」、コミュニケーションサーバ 「SV9300」など、美術館とオフィスのITインフラの構築に欠かせない、基幹ネットワークを構成する製品群です。

施設面における構想の柱である「来館者自身のスマートフォンで音声ガイドを提供する」ためには、館内にWi-Fi網をくまなく整備する必要がありました。また、美術館の学芸員は展覧会の企画や所蔵品の管理で動き回っていることが多く、固定電話ではすぐに連絡を取ることが難しかったため、新オフィスでは各自携帯できるスマートフォンを内線電話機として使いたいという要望も。1つのビルの中で、オフィスと美術館という用途、サービスの受け手が異なるため、個別に加え、統合的なネットワークシステムの構築が求められていました。

選択のポイント

自社製品を持つ強みとフォローアップ体制が決め手に

美術館のIT化は他に例がないことから、まず同財団では、新美術館のインフラ整備に適した通信機器・システムを探すことからスタートしました。直塚氏は「構想は固まっているので、それをどう具体化していくか。情報システム会社に在籍していたときの経験も生かしながら、システムの全体像を作り上げていきました」と振り返ります。展示会を回って関連設備・機器を探し、メーカーへの問い合わせを重ねながら、必要な機器と台数を絞り込んでいきました。

その際、シームレスな館内ネットワークに必要と算出した無線LANアクセスポイントは100台超。こうした規模に対応できるように、提案はNECプラットフォームズを含む通信大手3社に依頼しました。各社とも同等性能の機器を使用する形になるため、それぞれの提案内容に大きな違いはありませんでしたが、「最終的に関連システム製品を自社で持っているという点が、NECプラットフォームズを選んだ大きな理由です」(直塚氏)。

システム全体のトータルソリューションによるコスト削減と、きめ細かなフォローアップ体制が採用の決め手となりました。

導入後の成果

スマホ内線の利用で美術館・所蔵品保管庫拠点の業務効率化

職員各自のスマートフォンに内線機能が付加されたことによって、館内移動の多い学芸員との連絡もスムーズに取れ、部門の外線電話をスマートフォンで取ることも可能になり、タイムロスが大幅に軽減されました。

さらに、美術品の収蔵・修復施設でもある石橋財団アートリサーチセンター(以下ARC)のネットワークも美術館同様のシステムに変更。美術品の保管は温度・湿度が厳密に管理されるため、保管庫内は携帯電話の電波が届かず使用できませんでした。

「NECプラットフォームズに相談したところ、既存システムの仕様変更だけでなく、美術館とARCとのネットワーク構築まで対応してもらうことができました」と話します。美術館だけでなく、ARCについてもITインフラの構築を実現することができました。

難設置条件でも館内の意匠性を損なわない工夫

美術館内の様子
高い天井でゆったりとした美術館内

同美術館では、リニューアルに伴い展示・所蔵作品の領域を広げたこともあり、展示室は天井高4.5mと縦空間に余裕を持たせています。ルーバー天井や鋼製床の採用に加え、天井点検口が少ないなど、通信機器の設置やWi-Fi網をくまなく張り巡らせるには厳しい条件でしたが、意匠性や電波障害などに配慮した配線やアクセスポイントの設置、周囲に溶け込みやすい配色などの工夫を凝らしました。

さらにビル全体の建築工程とは別に配線作業を行う必要があったため、ゼネコンと調整をしたり、その都度現場を確認したりと、新築現場ならではの苦労もありましたが、「周囲との融合やシステム構築上必要ということで、現場の急な変更要望にも丁寧に対応してもらい、美術館の意匠性や雰囲気を損なわない満足な仕上がりになりました」(直塚氏)

意匠性を損なわない機器設置例
意匠性や電波障害などに配慮し設置された機器

提供するサービスを支える基幹システム

今回の現場では、無線アクセスポイントや来館者向け音声ガイドアプリなど、NECグループ以外の製品・システムも数多く使われています。その多種多様なシステム・サービスを大本で支えているのが、LANスイッチ「QXシリーズ」です。直塚氏も、「開館から現在まで、導入した基幹ネットワークシステムも安定していますし、スマートフォンによる音声ガイドも非常に好評を得ています」と話します。

「音声ガイドや来館者への情報発信の拡充、データベースの構築など、これからもIT化に向けた取り組みを進めていく方針」とのこと。「NECプラットフォームズにも、導入設備・機器のメンテナンスとともに、今後も情報システム化につながるような提案をしてほしいですね」と期待を寄せています。

お客様プロフィール

公益財団法人 石橋財団(アーティゾン美術館)

所在地 〒104-0031
東京都中央区京橋1-7-2 ミュージアムタワー京橋
設立 1956年
事業内容 アーティゾン美術館における美術館事業、芸術・文化・教育活動への寄付助成事業
URL 石橋財団 new windowhttps://www.ishibashi-foundation.or.jp/
アーティゾン美術館 new windowhttps://www.artizon.museum/


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(2021年3月12日)

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