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原因究明から出荷準備まで。部門を越えて進めるサーバ開発
2026年11月6日
企業活動や社会インフラを、目に見えないところで支えているサーバ。NECプラットフォームズの松山事業所では、NECのサーバ製品の設計・開発を行っています。サーバが製品として世に送り出されるまでには、設計や評価だけでなく、開発中に見つかった問題の原因調査や、製造・出荷に向けた準備も必要です。担当する部品だけを見ていては解決できず、海外の関係者や製造部門との協力が必要になる場面もあります。
今回紹介するのは、ITプラットフォーム事業部門 サーバエッジ統括部でハードウェア開発に携わる、入社5年目の吉川 晃平です。同じチームで開発に携わる水沼 純とともに、海外の関係者や製造部門と連携しながら、開発に取り組む若手技術者の姿を紹介します。
サーバ本体からLOMカードへ、広がる開発領域
吉川が入社後、最初に携わったのは、サーバ本体のハードウェア開発です。その後、サーバに搭載されるLOM(LAN On Motherboard)カードの業務を段階的に引き継ぎ、現在は主にその開発に携わっています。
LOMカードは、サーバに搭載されるLANカードの一種で、サーバをネットワークにつなぐための部品です。吉川は、このカードのネットワーク機能試験や、サーバとの組み合わせ評価などを担当しています。
開発では、LOMカードを実際にサーバへ取り付け、正しくデータをやり取りできるかを確認します。また、組み合わせる機器や使い方によって問題が起きないよう、条件を変えながら繰り返し動作を確かめていきます。

限られた情報から原因を探る。海外の関係者と進めた課題解決
LOMカードの業務を任されるようになった吉川は、評価を進める中で、サーバが正常に起動しない問題に直面しました。原因がサーバ本体にあるのか、LOMカードにあるのかは、すぐには分かりません。吉川は、機器の組み合わせや条件を変えながら動作を確認し、原因となり得る要素を一つずつ絞り込んでいきました。
調査を難しくしたのは、海外メーカ製のLOMカードであるため、内部に関する設計情報が限られていたことです。社内で確認できる情報だけでは原因を特定できないため、検証結果や動作記録を整理し、海外のNECのグループ会社や部品メーカと調査を進めました。
「どのような条件で事象が起きるのか、何を確認してほしいのかを整理して伝える必要がありました」と吉川は当時の難しさを語ります。やり取りは主に英語で行われるため、技術的な内容を正確に伝えられるよう、周囲のアドバイスも受けながら表現を工夫しました。
吉川が海外の関係者とのやり取りを進める際には、先輩の水沼も調査を支えました。水沼は当時を振り返り、「限られた情報の中で状況を理解してもらうには、検証結果を示しながら、粘り強く認識をすり合わせる必要がありました」と話します。

調査と対話を重ねた結果、原因を特定し、部品の改修につなげることができました。検証結果や動作記録を蓄積し、得られた事実をもとに、国内外の関係者と認識をそろえながら解決策を探っていく。そこには、一つの拠点だけでは完結しない、サーバ開発ならではの難しさと面白さがあります。
開発から出荷まで。部門を越えて支える製品化
LOMカードの開発経験を重ねてきた吉川は、入社5年目を迎え、新規製品の出荷対応という新たな役割を担うことになりました。製品をお客さまのもとへ届けるには、動作の確認に加え、製造時の検査方法を決め、作業手順やマニュアルを整える必要があります。
なかでも検討を重ねたのが、製造時の検査方法でした。確認する項目を増やせば、より細かな点まで確かめられる一方、検査にかかる時間やコストも増えていきます。吉川は、品質と検査にかかる時間やコストのバランスを探りました。
「開発側としては細かなところまで確認したくなりますが、検査項目を増やすほど、製造現場の負担も大きくなります。どこまで確認するのか、製造部門と相談しながら決めていきました」と吉川は話します。確認する機能や方法を一つずつ整理し、製造現場で実施できる検査手順へと落とし込んでいきました。
出荷対応では、検査手順を整えるだけでなく、出荷までに必要な作業を洗い出し、関係者とスケジュールを調整します。途中で生じる変更にも対応しながら、開発や製造、保守などの関係部門と調整を重ね、製品を安定した品質で送り出すための準備を進めています。
水沼は、吉川にこの役割を任せた理由について、「一つひとつ着実に確認し、状況をきちんと分析したうえで、適切に報告できるところを見てきました。彼なら、関係部門を取りまとめながら出荷対応を進めていけると期待しました」と話します。

経験を重ね、製品全体を見渡す視点へ
LOMカードの課題対応や、新製品を送り出すまでのプロセスを経験する中で、吉川の視点は、個別の機器から製品全体へと広がってきました。
「以前は問題が起きても、ハードウェアとソフトウェアのどちらに原因があるのか、見当をつけることが難しい場面もありました。今は事象を整理し、どの部門と連携すべきかを考えながら、対応を進められるようになりました」と吉川は話します。
開発に加え、製造や保守、製品を利用する側の視点に触れたことで、問題を一つの側面だけで捉えるのではなく、製品全体を見ながら解決への道筋を考えるようになりました。水沼も、経験を重ねる中で、吉川の判断がより早く、的確になってきたと感じています。
今後、これまでのサーバ開発で得た知識を生かし、現在は担当していないボード(電子回路基板)設計にも取り組みたいと考えています。サーバだけにとどまらず、ハードウェア開発の領域をさらに広げていきたいと吉川は話します。
「この人に任せておけば大丈夫と思ってもらえる技術者になりたい」。吉川が語るその目標に対し、水沼は、自らやりたいことを見つけ、周囲を巻き込みながら実現できる存在になってほしいと期待を寄せます。

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