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つくる現場から信頼を NECプラットフォームズの工場セキュリティ
2026年10月28日
製造業を狙うサイバー攻撃が増える中、工場のセキュリティ対策は、生産を止めないための備えであると同時に、お客様に安全・安心な製品を届け続けるための重要な取り組みになっています。
NECプラットフォームズでは、調達・製造・物流までを含めた「セキュア生産」の考え方のもと、工場セキュリティの強化を進めてきました。こうした取り組みが評価され、福島工場と掛川工場は、工場設備や製造ラインなど、ものづくりの現場におけるセキュリティ向上の取り組みを表彰する「JNSA OT セキュリティアワード」を受賞しました。
本コラムでは、受賞の背景にある日々の取り組みと、推進部門が製造現場と連携しながら築いてきた工場セキュリティの姿を紹介します。
信頼されるものづくりの起点として
工場セキュリティで向き合うべきリスクは、サイバー攻撃そのものだけではありません。ひとたび製造ラインに被害が出れば、製品の供給や納期に支障を来たし、お客様の事業にも影響を及ぼす可能性があります。
「工場が止まってしまうことは、製造業にとって大きなリスクです。工場のセキュリティを強化することは、単にサイバー攻撃を防ぐだけではなく、生産を止めず、安全に製品をつくり続けるためであり、お客様から信頼されるものづくりを継続するためにも重要だと考えています」
そう語るのは、工場セキュリティを推進するセキュリティ・IT統括部の森 淳子です。取り組みを始めた当初は、まず工場セキュリティの重要性を現場に伝え、理解を得るところからのスタートでした。米国基準のセキュリティガイドラインを参考にしながら、現場で無理なく運用できる形を探り、一つひとつ対策を積み重ねてきました。
今回の受賞は、そうした日々の取り組みが第三者から評価された一つの成果です。受賞を入口に、その背景にある地道な実践を見ていくと、信頼されるものづくりを支える工場セキュリティの姿が見えてきます。

セキュアな製造現場をつくるために
工場で安全・安心な製品をつくり、お客様へ届けるためには、製造工程だけでなく、その周辺にあるさまざまな仕組みを守る必要があります。 セキュア生産※1を支える取り組みは、ルールの整備、情報の流出対策、ネットワークと端末のセキュリティ対策、入退場管理などの物理的なセキュリティ対策、BCPの策定と訓練、工場全体のリスクマネジメントなど多岐にわたります。なかでも、製造ラインの安定稼働に関わるネットワーク対策について、森は次のように説明します。
「生産ネットワークでは、不正な侵入を許さない、被害を拡大させない、異常を見逃さないという三つの視点で対策しています。仮に侵入やウイルス感染が起きても、ネットワークを細かく分けることで、影響をできるだけ小さく抑えることを重視しています」 製造現場で使用する端末については、ログイン設定やログ記録、権限分離、不要なソフトウェアやポートの制限など、端末を安全に利用するための対策を実施。
さらに、入退場管理や監視カメラによる物理的な対策も組み合わせています。技術的な対策に加え、ルール、運用、訓練、評価を継続的に組み合わせていくことが、セキュアな製造現場づくりにつながっています。
- ※1「セキュア生産」は、製品の生産現場にサイバーセキュリティやBCPの考え方を取り入れ、調達・製造・物流も含めた管理を行う、NECプラットフォームがズ独自に定義した生産方式です。
異なる強みで評価された二つの工場の取り組み
今回の受賞では、福島工場と掛川工場が、それぞれの現場に即した方法でOTセキュリティを定着させ、継続的な運用につなげている点が評価されました。両工場では、異なる課題に向き合いながら、それぞれの強みを生かした取り組みを進めています。
福島工場では、製造ライン単位のマイクロセグメンテーションやSOC(Security Operations Center)監視を継続的に実施・改善していることに加え、訓練の結果を次の対策へ着実に反映している点が評価されました。
検査ラインの構築に携わりながら工場セキュリティを推進する、福島工場 製造技術部の栗原 佑汰は、「セキュリティ対策そのものではなく、製造ラインを止めないことを目的に取り組んできました」と話します。BCP訓練やインシデント対応訓練では、毎年対象ラインや参加メンバーを変え、異なる立場から課題を検証。そこで見つかった課題を事業継続計画書に反映するなど、実践と改善を重ねてきました。実際に、訓練から間もない時期にウイルス対策ソフトの誤検知が発生した際には、訓練で確認した流れを活かし、関係者への報告や状況確認を円滑に進めることができました。
「計画を作って終わりにせず、訓練で得た気づきを次の対策に生かしています。小さな違和感もすぐに共有し、工場内で解決しようとする文化が根づいてきました」と栗原は手応えを語ります。

一方、掛川工場で評価されたのは、経営層から製造現場まで、関係部門が一体となって取り組む体制と、工場の実態や運用負荷に配慮した持続可能な進め方です。新たな生産設備の立ち上げを機に、関係部門が連携しセキュリティに対応した生産ネットワークを構築しました。
「このネットワーク構築では、安全性を確保しながら、分離された環境間で必要なデータをどのように連携させるかも重要なテーマでした」と話すのは掛川工場 製造技術部の古山 勧雄です。製造現場では、生産設備の安定稼働やセキュリティを確保するため、用途の異なるネットワークを分離して運用することが一般的です。従来掛川工場では、分離したネットワーク間でデータを移動する際は管理されたUSBメモリを使用していました。新たなネットワークの導入後は、サーバ経由で安全にデータをやり取りできるようになり、従来のようにUSBメモリを介してデータを移動する必要がなくなりました。集約したデータは、現場の状況把握や改善にも役立てています。安全なデータ連携を実現したことで、セキュリティ強化だけでなく、データの利活用による業務効率化や生産性向上にもつながっています。
こうした成果を踏まえ、古山は「多くの製造業では、工場のネットワークとオフィスのネットワークを分離して運用していますが、その結果、同様の課題に直面しています。こうしたセキュリティへの取り組みは、日本の製造業を発展させていくうえでも必要だと考えています」と話します。掛川工場で培った知見を、同じ課題を抱える他の製造現場にも広げていくことを目指しています。

セキュアな環境で国内生産する価値、そしてこれから
セキュアな環境で国内生産を行うことは、製品を安定して届け続けるうえで大きな意味を持ちます。森は、国内に製造拠点を持つ強みについて次のように説明します。
「国内生産の価値は、製造現場を直接管理できる点にあります。セキュリティのルールを統一しやすく、万一インシデントが発生した場合にも、関係部門が緊密に連携し、迅速な対応につなげやすいことが大きな強みです」
NECプラットフォームズがつくる製品は、社会インフラやお客様の重要な業務を支える場面で使われています。だからこそ、品質や機能だけでなく、どのような環境で、どのような体制のもとでつくられているのかも、信頼を左右する要素になります。
工場セキュリティには、攻撃の手法やお客様の要望、各種ガイドラインの変化に応じて、仕組みや運用を見直し、改善を続けていくことが欠かせません。システムの導入だけではなく、蓄積してきたノウハウを継承し、人材育成にも取り組みながら、持続的にセキュリティ体制を高めていくことが求められます。
そして、工場セキュリティの先にあるものについて、森はこう語ります。
「私たちが工場セキュリティで具体的に守っているものは、製造環境や情報、製品の安全性です。ただ、その先にある本当に守りたいものは、お客様からの信頼です」
つくる現場でセキュリティ対策を積み重ねることは、安心して製品を選んでいただくための信頼づくりでもあります。NECプラットフォームズはこれからも、セキュアなものづくりを通じて、お客様と社会の安心を支えていきます。
- ※JNSAは、特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会の登録商標です。
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