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バーチャルトレーニングを開発するチームバーチャルトレーニングを開発するチーム

リアルな学びを、バーチャルで支える。バーチャルトレーニング開発チームの挑戦

2026年9月28日

実物に触れて経験を積むことは、設備を扱う現場にとって大切な学びの機会です。しかし、設備のコストや安全面、場所の制約から、繰り返し訓練することが難しい場合があります。加えて、熟練者の技能を次世代へどのように受け継いでいくかも、多くの現場に共通する課題となっています。
NECプラットフォームズでは、こうした現場教育の課題に対し、VR空間で作業手順を学習できる環境の開発に取り組んでいます。 今回は、バーチャルトレーニング開発に携わるメンバーに、現場から寄せられる声を開発にどう生かし、訓練として使える形へ磨いているのかを聞きました。

現場の課題を、開発の起点に

「実物で訓練したい。でも、設備のコストや安全面から難しい。そうした現場の声が、バーチャルトレーニング開発の出発点です」と語るのは、パブリック事業部門 パブリックプロダクツ統括部の森田です。

森田は、プロジェクトマネジメントとマーケティングを担当し、営業担当やNECグループ各社と連携しながら、お客様の声を開発チームへつなぐ役割を担っています。 お客様との対話を重ねる中で見えてきたのは、実物を使った訓練だけでは対応しきれない現場の制約でした。
設備点検や保守作業などの訓練では、高価な設備を十分に用意できない、危険を伴う作業を繰り返し練習しにくい、遠隔地にある設備の訓練に時間や移動の負担がかかる――そうした課題に対し、VRで安全に、繰り返し学べる環境を提供することが、この開発の大きな役割になっています。
「失敗を恐れず、アドバイスを受けながら、作業の質を高められる。時間や場所の制約を受けずに、危険を伴う作業を安全な環境で繰り返し体験できることは、作業者にとって大きなメリットになります」。

お客様との対話から見えてきた期待を、どのように実際の訓練環境へ落とし込むか。そこから、VRならではの技術的な試行錯誤が始まりました。

パブリック事業部門 パブリックプロダクツ統括部 森田 佑亮

試行錯誤から生まれた、実践的なトレーニング

VRでは、現実に近い空間や操作を再現しながらも、受講者が作業に集中できる体験にすることが求められます。
本トレーニングの開発は、VRアプリケーション、Webアプリケーション、クラウドシステムの3つの領域で構成されています。VR空間での体験を設計するだけでなく、訓練結果を記録し、振り返りやすい形で可視化する仕組みまで含めて、現場で活用可能なトレーニング環境の実現を目指しています。
「最初はリアルを追求すればよいと思っていましたが、実際にはそうではありませんでした」と話すのは、VRアプリケーションの開発を担当する同統括部の柳生です。

パブリック事業部門 パブリックプロダクツ統括部 柳生 拓哉

現実に近づけようと細部まで作り込むほどデータ量は大きくなり、VR上でなめらかに動かすことが難しくなるといいます。そこで柳生は、受講者が実際に操作する設備は丁寧に再現し、背景や遠くに見える部分は必要に応じて簡略化しました。大切なのは、すべてをリアルに作ることではなく、作業を理解するうえで重要な部分に集中できる空間にすることでした。

また、訓練として使えるバーチャルトレーニングにするためには、体験した内容をどのように記録し、振り返りにつなげるかも重要です。 「通常のアプリケーションはボタンをクリックして操作しますが、VRは再現する業務によって操作方法が違います。手で操作することもあれば、工具を持って操作することもある。その動きをどうログとして残すかが、VRならではの面白さでした」と語るのは、Webアプリケーションとクラウドシステムの開発を担当する同統括部の井上です。

パブリック事業部門 パブリックプロダクツ統括部 井上 太貴

井上は、受講者のVR空間で行う多様な操作を訓練結果として記録し、講師が振り返りに活用しやすい形に可視化しています。例えば、どの作業に時間がかかったのか、どの手順でミスがあったのか、同じ操作を繰り返していないかなどをダッシュボードで確認できるようにしました。
VR空間での体験をその場限りで終わらせず、振り返りや次の指導につなげることも、この訓練環境を支える大切な要素です。

ダッシュボード画面

チームで挑む開発、判断の軸とこだわり

開発を進める中では、リアリティ、動作の安定性、使いやすさなど、何を優先すべきか判断に迷う場面があります。そうしたときにチームが立ち返るのは、「お客様のトレーニングに本当に役立つか」という視点です。

「リアリティを優先するか、動作の安定性を優先するかで意見が分かれたこともありました」と柳生は振り返ります。 ユーザーテストを繰り返す中でチームが重視したのは、見た目のリアルさではなく、お客様にとって使いやすいか、受講者が作業を理解しやすいか、訓練の目的を達成できるかという点でした。
「実際の操作を再現することだけが正解ではありません。VR上の操作が複雑になり、先に進めなければ、訓練としては本末転倒です。お客様に体験していただきながら、どこまで再現し、どこを分かりやすくするかを調整しています」と柳生は語ります。
仕様だけで決めるのではなく、実際に試し、お客様の反応も踏まえながら判断していくことが、チームの開発姿勢につながっています。

VRゴーグルを装着して操作している様子

バーチャルトレーニングのデモ画面

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    バーチャルトレーニングのデモ画面は、NECファシリティーズ株式会社の研修・研究開発センターFM-Base®(エフ・エム・ベース)のVR空間を活用した教育用VRコンテンツです。

データを活かし、現場の学びを次の段階へ

訓練で得られるデータは、結果を確認するためだけのものではありません。どの作業でつまずいたのか、どの手順に時間がかかったのか、どの動きに違いがあるのか。そうしたデータは、次の学びにつながる手がかりになります。

森田が見据えるのは、訓練中の操作や結果を記録・可視化し、振り返りに活用できる仕組みをさらに発展させることです。「訓練で見えてきた作業者一人ひとりの失敗傾向や改善点をAIで分析し、一人ひとりに合ったフィードバックや支援へ発展させていきたいです。講師の負担を軽減しながら、受講者にもより的確なアドバイスができるようになるのではないかと思います」と話します。

その土台となるのが、訓練中の動きを記録し、後から振り返りやすい形に整える仕組みです。井上は、取得したデータを人材育成システムや業務システムと連携させることで、活用の可能性をさらに高められると見ています。「バーチャルトレーニングで得られるデータは、AIの時代においても貴重なものです。この仕組みを起点に、さまざまなシステムで活用していきたい」と述べます。

さらに、データの活用は、熟練技術者の技能を受け継ぐ場面にも役立つ可能性があります。映像を見ただけでは分かりにくい動きや、本人も意識していない細かな作業の違いを記録できれば、これまで言葉や経験に頼って受け継いでいた技術を、より具体的に伝える手がかりになります。柳生は、こうしたVRならではの学びの可能性に期待を寄せており、「誰もが質の高い学びを得られる環境を提供したい。VRでしか実現できない体験や、訓練中の行動データの活用を通じて、新しい教育や学びの形を生み出していきたい」と話します。

繰り返し学ぶだけでなく、その記録を次の訓練や技術継承に活かしていく。バーチャルトレーニングは、安全で実践的な学びをより多くの人に届け、現場の人材育成を支える新たな仕組みとして、これからも進化を続けていきます。

関連リンク

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