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NECサニタリー利用記録システム 導入事例社会福祉法人ふれんど 特別養護老人ホーム 彩 様

社会福祉法人ふれんど 特別養護老人ホーム 彩様施設のお写真社会福祉法人ふれんど 特別養護老人ホーム 彩様施設のお写真

排せつ確認の駆けつけ業務が皆無に
記録のデータ化による適切な排せつ管理で、施設利用者様の尊厳を支えるケアを実現

業種:医療・ヘルスケア  業務:介護業務  製品:NECサニタリー利用記録システム

事例の概要

課題背景

  • 施設利用者様の排せつを正確に把握し、適切なタイミングでの下剤投与により利用者様の身体的負担を減らしたい

  • 排せつ確認による利用者様の羞恥心に配慮し、心理的負担を減らしたい

  • 介護スタッフが排せつ確認する接見業務の負担を軽減し、注力すべき業務に集中したい

成果

排せつの自動記録と、介護スタッフの主観に頼らない分類判断の実現

これまで介護スタッフの主観に依存していた排せつ記録は、AIによって色や性状が正確に分析され、記入漏れや揺らぎが皆無に

排せつ確認の駆けつけ業務が皆無となり、業務フローを効率化

リアルタイムで排せつ状況がデータ化されることで、確認作業が不要となり業務フロー全体が改善

適切な下剤投与の判断が可能となり、利用者様の心身の負担を軽減

システムの導入により、排せつ回数・性状が把握でき、「必要なときに、必要な量」の下剤投与の判断が可能に

システムイメージ

特別養護老人ホーム 彩様NECサニタリーシステム システム構成

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事例の詳細

導入前の背景や課題

札幌から車で90分、新千歳空港から30分と、交通利便性が高い苫小牧。工業港でありながら海の幸も豊富で、雄大な自然も満喫できる、北海道の主要都市の1つです。
JR苫小牧駅前に建つ、医療法人社団玄洋会グループの社会福祉法人ふれんど様が運営する「高齢者複合施設Ⅲ」は、「地域福祉への貢献」を願い百貨店跡地に整備されました。在宅利用から施設入居まで利用目的に応じた施設が1か所に集約され、地域の方々のシニアライフを支えています。

同施設の2~7階に入る特別養護老人ホーム彩様は2014年11月に開設し、全120室の個室に、1フロア20人(1ユニット10人)の利用者様が入居。1フロアにつき14人の介護職員体制に加え、看護師、管理栄養士、医師などが連携し、地域や家族との結びつきを大切にした介護サービスを提供しています。

目視+個々の主観で状況把握

社会福祉法人ふれんど 高齢者福祉施設Ⅲ 総合施設長 野中 雅子
社会福祉法人ふれんど
高齢者福祉施設Ⅲ
総合施設長 野中 雅子氏

同施設では、自分で歩いてトイレを使用できる要介護3の利用者様が2~2.5割程度といいます。施設での1日の業務は、食事や清掃、着替え、レクリエーション、入浴・排せつという流れがありますが、このうち排せつに関連した業務は3分の1を占めています。介護スタッフは、利用者様それぞれの排せつのタイミングに合わせて介助に入り、目視あるいは声掛けによって排せつ物の確認を行っています。また、記録は法人独自で構築した介護ソフトに登録しています。

排せつについては、利用者様の羞恥心に配慮することが特に大切であるとともに、個々に合った対応が必要となり、介護スタッフも細心の注意を払っていますが、確認できなかったときには排せつ後の痕跡を調べることもあるといいます。

ただ、「どうしても独歩可能な利用者様の場合、介護スタッフが到着する前に済ませていることも多く、聞き取り確認にも羞恥心から話したがらない、覚えていないということもあります。そうなると、お腹の張りを確認したり、下剤による調整を行ったりと、利用者様に負担がかかります。さらに、他の利用者様への介助をしながら排せつ確認を行わなければならこともあり、介護スタッフへの負担もありました」と、同施設総合施設長 野中雅子氏は話します。

選択のポイント

トライアルで有用性を確認。現場の声が後押し

2022年初夏、グループ本部から野中氏に、NECサニタリー利用記録システムについて「使ってみないか?」との打診がありました。代理店を通じた導入提案とトライアル利用の提案があり、ユニットリーダー会議のときに意見を聞いてみたところ、真っ先に手を挙げたリーダーが1人。担当するユニットに要介護3の認知症の利用者様がいて、「自分で歩いてトイレに行けるため、いつの間にか排せつが終わって流してしまうことが多く、また短期記憶ができないため後からの確認もできず、排せつ記録が全くできない状況でした。この話を聞いたとき、『本当に把握できるのであれば、とにかく使ってみたい』と思い、手を挙げました」といいます。

そこで2022年7月から1か月間トライアルを実施したところ、「毎日の排便状況を正確に把握することができ、下剤使用の管理もより適切にできるようになりました。これまでの苦労が一気に解決できたという実感がありました」。想定以上の成果があったことを報告すると、「うちのフロアでも使いたい」と一斉に手が挙がりました。どのユニットにも、要介護3レベルで認知症の利用者様が1~2人おり、介助なしでも自分でトイレを使用できるため、排せつ記録が取り切れないことに悩んでいた介護スタッフが非常に多かったことがわかりました。

同施設の母体である医療法人では、利用者様に快適なサービスを提供するため、現場業務の軽減化つながる機器・システムを積極的に取り入れています。これまでもシルエット見守りセンサやセンサ付きフロアマットなどの導入や、利用者様のデータを集約する介護ソフトを独自開発するなど、傘下の福祉施設で活用しています。

排せつ管理についても、過去に排せつ検知システムやおむつの状況検知システムなども試したことがあったといいますが、「いずれもあまり現場には響かなかった」とのこと。野中氏は、「トライアルでの成果を受け、現場からこれだけ強い要望が出ましたので、必要な数をそろえるべきだと思いました。すぐに本部へ正式導入をお願いしました」と振り返ります。厚生労働省が取り組んでいる「介護ロボット導入支援事業」の補助金制度も活用して、10台を導入しました。

導入後の成果

排せつを正確に把握

これまで排便・排尿の状況は介護スタッフの主観に依存していましたが、NECサニタリー利用記録システムでは排せつ物の色・性状などがAIによって分析されるため、記載データの揺らぎが解消しました。回数についても正確に把握できるようになり、記入漏れも皆無になったといいます。

介護職員のスマートフォン
排せつ状況をスマートフォンからリアルタイムで確認することが可能に
ここまでチェックできるとは…

これまで排便が確認できない利用者様には、本当は排せつしていたにもかかわらず下剤を使ってしまったのではないか、負担をかけてしまったのではないかと申し訳なく思っていましたし、他のフロアリーダーとも「どうにかならないかな」と話していました。

NECサニタリー利用記録システムでは、形も軟らかさもわかり、「ここまでチェックできるんだ」と驚いています。トイレ入室のタイミングで、汚れたトレーニングパンツの交換ができるようになったこともよかったです。(ユニットリーダー)

夜間の排せつ状況が把握できるように

当施設はオール個室でトイレも室内にあるので、夜間の排せつ確認は難しい状況でしたが、導入後は頻度も含めて把握できるようになったので、水分補給のタイミングなどもつかみやすくなりました。(ユニットリーダー)

駆けつけ介助が皆無に

排せつ状況がリアルタイムでデータ化されるため、排せつのタイミングでの確認作業が不要になり、業務フロー全体の改善につながりました。「その都度見に行く必要がなくなり、気持ちの面でも楽になりました」と、ユニットリーダーの方々は話します。また、介助の優先順位を付けて駆けつけることができるようになったことも、大きな改善ポイントでした。

さらに、トイレへの入退室が可視化されたことは想定外のメリットだったといいます。「個室ということもあり、トイレは転倒事故や体調不良が起きやすい場所。長時間入室しているようであれば確認に行くといった意識付けができるようになりました」(野中氏)

適切な下剤投与の判断が行えるように

以前は、目視や触診でも排せつ状況が把握できないこともあったため、利用者様によっては定期的に下剤を投与していました。しかし、NECサニタリー利用記録システムを入れたことで、利用者様の排せつ回数・性状(色も含めて)が把握できるようになり、「必要なときに、必要な量」の下剤投与の判断ができるようになりました。利用者様にとっても、下剤による下痢の回数が減り、身体への負担が軽減されたと思います。また、排せつ回数・性状が把握できるようになった結果、薬剤管理の面でも寄与していると考えられます。(ケアマネージャー)

設置変更もすぐにできる簡易・省施工性

設備類は、便器ふちへ取りつける排せつ検知センサ、便器裏側への設置する制御ボックスのみ。そのため、利用者変更に伴う設置替えを介護スタッフ自身で行うことができます。「シンプルな構造なので、不安なく対応できましたし、設置替え後もきちんとデータが取れ、問題なく使えています」(ユニットリーダー)

排泄検知ユニット
便器の縁(便座の下)に設置している排泄検知ユニット

認知症の利用者様に効果を発揮

野中氏は、「介護関連システムは数多くありますが、このシステムは認知症の利用者様がいる施設に適していると感じています」と話します。すでに追加導入(6台)の申請を予定しており、設置が終われば同施設内における必要数の整備が完了する見込みです。今後、独自開発した介護ソフトとの連携が進めば「入力作業の手間が省け、業務効率化がより進むのでは」と期待を寄せています。さらに“利用者様の生命を守る”立場から、「摂食・嚥下障害は高齢者にとっては命取りになりますので、食事面の見守りシステムなどがあれば、さらに安心・安全な介護サービスが提供できると考えています」。利用者様の体調を読み取り、快適な生活を送れるように寄りそい、また人材不足の課題解決のためにも、さまざまな介護システム・器具類を活用し、現場改善に取り組んでいく方針です。

今回ご協力いただいた施設のみなさま
今回ご協力いただいた施設のみなさま

お客様プロフィール

医療法人社団玄洋会グループ
社会福祉法人ふれんど 特別養護老人ホーム 彩

所在地 〒053-0022
北海道苫小牧市表町5-11-5
設立 2014年11月
事業内容 介護老人福祉施設
URL new windowhttps://www.friend.or.jp/roujin3/t_aya.html

この事例の製品・ソリューション

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(2023年12月25日)

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